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ノースクイーンCはコーラルツッキーが2年ぶりの重賞制覇

  • 2021年07月27日
  • 粘るネーロルチェンテを巡る攻防
    粘るネーロルチェンテを巡る攻防
  • コーラルツッキーがハナ差差し切って勝利
    コーラルツッキーがハナ差差し切って勝利
  • NAR2歳女王が古巣で復活V
    NAR2歳女王が古巣で復活V
  • 川崎の山崎調教師にとって初重賞制覇となった
    川崎の山崎調教師にとって初重賞制覇となった
  • 表彰式の様子
    表彰式の様子

 7月20日、門別競馬場ではグランダム・ジャパン2021シリーズ、古馬シーズン第3戦となる、第20回ノースクイーンカップ(H2)【シニスターミニスター賞】がダート1800mで行われた。

 本来7月15日に開催される予定だった同レース。濃霧のため取り止めとなり、翌週に順延となった。川崎から遠征してきたコーラルツッキー、船橋のアブソルートクインも門別に残り調整を続けた。 3.5倍の1番人気は、前走ヒダカソウC 2着のクオリティスタート。南関東在厩時は勝ち星をあげられなかったが、地元重賞3勝馬はデビューの地で復調の兆しを見せていた。4.0倍の2番人気はネーロルチェンテ。門別1800mは連対を外したことがない得意距離なだけに巻き返しを図りたい。3番人気は、重賞初挑戦となるサイファリスで4.2倍。牡馬の一線級を相手に力をつけてきた上がり馬の奮闘に期待が集まった。

 交流重賞、ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)に繋がる重要な1戦、そして最終戦である大井のレディスプレリュード(Jpn2)への挑戦権を賭けた女子たちの戦いの火蓋が切られた。揃ったスタートから先頭に押し出された形になったのは最内枠のマリーンワン。外をピッタリマークするネーロルチェンテ、その更に外はコーラルツッキーと3頭がレースを引っ張る。その直後にルナクレアとニジイロが並び、人気のクオリティスタートは中団で前を見ながらレースを運んでいた。3~4コーナーの勝負所で先頭に立ったのはネーロルチェンテ。コーラルツッキー、アブソルートクインも並んで追い込んでくる。粘るネーロルチェンテと末脚勝ったコーラルツッキーが並んだままゴールに飛び込んだ。結果はコーラルツッキーがハナ差ネーロルチェンテを凌ぎ、2019年のエーデルワイス賞(Jpn3)以来2年振りの重賞制覇を飾った。勝ち時計は1分57秒0(晴・良)2着にネーロルチェンテ、1/2馬身差の3着はアブソルートクインが入線した。

 3勝目の重賞制覇へ導いたのは松井伸也騎手。昨年の同レースはアンバラージュに騎乗し、ハナ差の2着で涙を飲んでいた。「騎乗依頼をもらった時は、自分でいいのかなとビックリしました。操縦性が高く乗りやすい馬で、ゲートを出た後は折り合い重視であの位置取りになりました。最後までしっかり走ってくれて、ゴール前では勝ったかな?と半信半疑でしたが、勝てて良かったです」と声を弾ませた。

 管理する川崎の山崎裕也調教師はこれが待望の重賞初勝利「長距離輸送の影響もあり15日の時点でマイナス11キロと馬体重が減ってしまい、馬も元気がなくて心配していましたが、5日順延したことでマイナス5キロまで戻せたことが結果的によかったですね。スタートよく飛び出し、行き過ぎると燃え尽きるタイプなので騎手が上手くコントロールして文句のないレースをしてくれました。スピード、持久力、成長力もあってこれからいろんな可能性にチャレンジしていきたいです」と喜びを語った。

 コーラルツッキーは父シニスターミニスター、母コーラルビュー、母の父キングヘイローという血統の4歳牝馬。生産は1980年の有馬記念馬ホウヨウボーイなどを生産した日高町の老舗、豊洋牧場。

 今後は短期放牧を挟み馬体回復に努めながら次走を決める方針だ。