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星雲賞はクラキングスが重賞初制覇

  • 2021年07月20日
  • 逃げるクインズプルートを追い詰める後続馬たち
    逃げるクインズプルートを追い詰める後続馬たち
  • ゴール直前、クビ差差し切ったクラキングス
    ゴール直前、クビ差差し切ったクラキングス
  • 重賞12回目の挑戦で初勝利を飾った
    重賞12回目の挑戦で初勝利を飾った
  • 宮崎光行騎手2200勝のメモリアル勝利でもあった
    宮崎光行騎手2200勝のメモリアル勝利でもあった
  • 表彰を受ける関係者の皆さん
    表彰を受ける関係者の皆さん

 7月13日、門別競馬場では古馬によるマイル重賞、週刊Gallop杯第18回星雲賞(H3)【ノーブルミッション賞】が内回り距離1600mで行われ、3歳から9歳までの8頭がエントリーした。

 1番人気に推されたのは昨年の勝馬クインズプルートで1.7倍。初重賞勝利を飾った昨年の同レース以降、笠松のくろゆり賞など積極的に遠征し、力を蓄えて来た。2番人気は今季からホッカイドウ競馬へ移籍、一度も掲示板を外していない底力を評価されたスマートアヴァロンで3.9倍。6.4倍の3番人気はスティールペガサス。善戦するものの未だ重賞未勝利。南関東から古巣へ戻り条件戦を連勝するなど、ここから一気の成長が期待されている。

 揃ったスタートからハナを主張したのはやはりクインズプルート。しかしクラヴィスオレアも抜かせまいと踏ん張り、2頭でレースを引っ張る形に。少し間が開いてスティールペガサス、ヴォーガ、スマイルミュなどがつづいた。向こう正面でクインズプルートが単独先頭に変わり、スティールペガサス、スマートアヴァロンらの人気馬もスパートを開始、一気に差を詰めてきた。粘るクインズプルート、このまま逃げ切るかと思われたが、大外からメンバー中上がり最速の脚で猛然と追い込んできたクラキングスがゴール手前でクインズプルートを交わし、昨年同レース2着の雪辱を果たした。勝ち時計は1分41秒0(晴・稍重)クビ差の2着にクインズプルート、1/2馬身差の3着はスティールペガサスという結果だった。

 ベテランの手腕に導かれ12回目の挑戦で重賞初制覇となったクラキングス、鞍上の宮崎光行騎手はこの勝利で通算2200勝を達成した。「厩舎から調子はいいよと言われていたし、ペースが早くなって展開も向きました。最後の直線で爆発してくれましたね。7歳ですが、まだまだ頑張れる馬ですよ」と鮮やかな差し切り勝ちをおさめたパートナーを称えた。

 村上正和調教師は「調子のいい時は残り100mで素晴らしい脚を使ってくれる馬なので、今日は気持ち良いくらい決まってくれました。重賞では勝ちきれない競馬が続いていましたが、徐々に力を付け、馬が育ってくれた結果ですね」と振り返った。

 クラキングスは、父アサクサキングス、母クラダッチューノ、その父サクラダイオーという血統の7歳牡馬。生産は三冠馬クラキンコ、そしてその父である2002年の道営記念馬クラキングオーなど、“クラ”の冠名で知られる活躍馬を送り出している日高町の倉見牧場。

 2016年5月門別競馬場でデビュー。勝ち上がるまで5戦を要し、同年シーズンオフに南関東へ移籍。2019年からホッカイドウ競馬に戻り、条件戦を使われつつ力を付けていった。通算成績は64戦11勝。