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髙橋秀昌日本軽種馬協会顧問が農林水産大臣賞を受賞

  • 2021年07月02日
  • 農林水産大臣賞を受賞した髙橋秀昌JBBA顧問
    農林水産大臣賞を受賞した髙橋秀昌JBBA顧問
  • 来賓として祝辞を送る田中芳郎胆振軽種馬農業協同組合代表理事組合長
    来賓として祝辞を送る田中芳郎胆振軽種馬農業協同組合代表理事組合長
  • 胆振軽種馬農業協同組合会議室で行われた表彰授与式
    胆振軽種馬農業協同組合会議室で行われた表彰授与式
  • 受賞を喜ぶ胆振軽種馬農業協同組合関係者
    受賞を喜ぶ胆振軽種馬農業協同組合関係者

 7月1日、白老町社台にある胆振軽種馬農業協同組合会議室において、第2回競馬功労者表彰農林水産大臣賞を受賞した髙橋秀昌日本軽種馬協会(以下JBBA)顧問の表彰状授与式が行われた。

 競馬功労者表彰は、我が国の畜産振興や国家・地方財政に寄与する競馬の果たす役割に鑑み、調教師、騎手、競走馬生産農家等の競馬関係者に対する表彰として、農林水産省が実施。調教師や騎手の更なる技能の向上、競走馬生産農家の生産意欲の増大等を図り、更なる競馬産業の活性化や馬産地の振興につなげるため、競馬関係者を表彰する制度で今回が2回目となる。

 「第2回競馬功績者表彰」受賞者は6名。髙橋JBBA顧問のほかに、尾形充弘JRA元調教師、藤沢和雄JRA調教師、柴田善臣JRA騎手、宮下瞳愛知競馬騎手、岡本金彌JRA元副理事長が受賞した。

 生産者を代表して受賞した髙橋JBBA顧問は、伊達市にある髙橋農場代表で、昭和22年生まれの東京都出身。昭和44年3月に日本大学経済学部経済学科卒業。平成2年3月に胆振軽種馬農業協同組合理事になり、平成11年3月に副組合長理事に就任、平成13年12月から平成29年3月まで代表理事組合長を務め、平成30年3月からは顧問となる。また、平成12年3月にはJBBA理事となり、平成29年6月から顧問に就任。その間、地方競馬全国協会評議員、ホッカイドウ競馬振興株式会社取締役、北海道馬主会副会長、会長代行、全国地方競馬馬主連合会理事、軽種馬育成調教センター評議員、北海道軽種馬振興公社業務運営委員、日本地方競馬馬主振興協会理事などの要職も歴任し、競馬サークルの発展に尽力してきた。

 また、明治43年に創業された髙橋農場からは、昭和52年の日本ダービー馬ラッキールーラを筆頭に、ランニングフリー、ランニングゲイル、トモエオー、マルブツサーペン、ゴールデンアイ、エリモイーグルなど数多くの活躍馬を生産。地域の軽種馬生産振興にも寄与してきた。

 表彰状授与式には髙橋JBBA顧問、胆振軽種馬農業協同組合の田中芳郎代表理事組合長、岩崎伸道副組合長理事、JBBAの益満宏行副会長・常務理事らが出席。益満副会長は「本日は表彰式にお集まりいただきありがとうございます。6月29日に農林水産省から発表されたとおり、第2回競馬功労者表彰におきまして、当協会顧問の髙橋秀昌さんが、栄えある農林水産大臣賞を受賞されました。心からお祝い申し上げます。本来であれば、この表彰状は農林水産省において農林水産大臣から授与されるところですが、新型コロナウイルス感染症のまん延防止のため表彰式典が見送りとなりましたことから、軽種馬協会が賞状をお預かりし、授与することになりました。さて、今回の第2回競馬功労者表彰におきまして6名の方の表彰が決定されました。生産界からは、髙橋農場代表として優良な軽種馬を生産するかたわら、胆振軽種馬農業協同組合代表理事組合長、日本軽種馬協会理事、地方競馬全国協会評議員等の要職を歴任され、軽種馬生産界はもとより、競馬サークル全体の発展に貢献された髙橋さんが受賞された次第です。髙橋さんが要職に就いておられたころは、競馬の売り上げ低迷、地方競馬主催者の競馬事業からの相次ぐ撤退など、競馬産業全体が苦境に立たされており、軽種馬生産界も手塩にかけて育てた生産馬が売れず、経営困難に陥る生産者がたくさんいました。そうしたなか、髙橋さんは、同じ時期に協会役員をお務めになっていた、荒木さんや今原さんたちとともに、市場振興や海外販路拡大などの課題に精力的に取り組んでくださいました。今、生産界は苦境を乗り越え、良い方向へ向かっておりますが、これは髙橋さんたちのご尽力のおかげであり、心より感謝申し上げる次第です」とあいさつ。続いて「あなたは多年にわたり軽種馬の生産者として優秀な競走馬の生産・育成を通じ競馬の発展・馬産地の振興に貢献された功績は誠に顕著なものがあります。ここにその功績をたたえ表彰します」と野上浩太郎農林水産大臣からの表彰状を、髙橋顧問へ手渡した。

 来賓としてお祝いに駆けつけた田中代表理事組合長は「本日はコロナ禍のなか、東京からお越しいただいたJBBAのみなさまには感謝申し上げます。組合として56年になりますが、この受賞が決まったときに、組合員として歴代の組合長の顔を見ながら思ったのですが、それぞれの組合長が、市場を含め胆振の軽種馬の苦難と向き合ってくださいました。そのなかで地方競馬の振興ということを一環して訴えてました。その流れを汲んで髙橋さんが海外流通販路の拡大を含めて、地方の馬主さん方と膝を交えて話をしてご尽力してくださいました。それがいまの市場の成績につながっているひとつとおもっております。先日もトレーニングセールで買った馬が新馬を勝ったよというお話を地方の馬主さんから聞いて嬉しくなりました。それらもすべていままで髙橋さんがご尽力された結果とおもっています。胆振もこれから、今までの歴史でいわれてることを継続して、市場振興と地方競馬の発展に取り組んでいきます。そのためにもこれからもご助言をお願いいたします」と祝辞。

 髙橋顧問は「今回、図らずも農林水産大臣賞をわたくしがいただいたことになりましたが、私自身は私がもらったものでなく、この協会が、競馬産業が貢献した大きさが評価されたものとおもっています。本日はコロナ禍のなか、悪天候のなか、東京から、そしてお忙しいなか、田中組合長、岩崎副組合長、皆さん来ていただきましてありがとうございます。この賞に恥じることなくこれからも精進します」と謝辞した。