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栄冠賞はモーニングショーが世代最初の重賞勝ちに輝く

  • 2021年06月30日
  • 先頭をいく2頭の間を割ってスパートするモーニングショー
    先頭をいく2頭の間を割ってスパートするモーニングショー
  • そのまま突き抜け、ゴールを駆け抜けた
    そのまま突き抜け、ゴールを駆け抜けた
  • 世代最初の重賞勝ち馬の称号を手に入れた
    世代最初の重賞勝ち馬の称号を手に入れた
  • 人数は制限されているが、馬主、生産者も収まった口取り写真
    人数は制限されているが、馬主、生産者も収まった口取り写真
  • 表彰式も再開された
    表彰式も再開された

 6月24日“日本一早い2歳重賞”TVh杯第46回栄冠賞(H2)【モズアスコット賞】が、門別競馬場ダート1200mで行われた。

 フレッシュ、アタックチャレンジ競走を勝ち上がった牡馬8頭、牝馬6頭の計14頭が世代一番星を目指し集結した。2.5倍の1番人気に推されたのは、能検を47秒7という破格の時計を叩き出し、新馬戦でも9馬身の圧勝劇を演じたシャルフジン(牡、父ヘニーヒューズ)。3.7倍の2番人気は、スーパーフレッシュチャレンジ競走をレコードタイムで快勝した、シニスターミニスター産駒のモーニングショー(牡)。3番人気は、好位追走から力強く抜け出し、新馬勝ちを収めたラブリーデイ産駒のプライルード(牡)が6.6倍と、近年稀に見る高レベルのメンバーが揃った。

 新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が解除され、有観客で行われた久しぶりの重賞レース。6月とは思えない肌寒い気温だったが、待ち侘びた500人のファンに見守られながらレースはスタートした。好スタートを決めたのは人気の一角プライルードだったが、それを制するようにラブミードールがハナを奪った。シャルフジン、プライルードの人気馬2頭も先頭に取り付き、その直後にモーニングショー、カクテルライトがつづく。3コーナーに差し掛かると先頭集団を形成していたラブミードール、シャルフジン、プライルードが後続を突き放す。3頭の叩き合いから僅かにシャルフジンが抜け出した直後、内で脚をためていたモーニングショーが間を割って先頭へ躍り出ると、そのままゴール板を駆け抜けた。勝ち時計は1分12秒7(曇・稍重)1馬身差の2着にプライルード、アタマ差3着は牝馬のレディーアーサー、1番人気シャルフジンはそこからハナ差4着に敗れた。

 モーニングショーを世代最初の重賞勝ち馬へ導いた阿部龍騎手は、今季重賞初勝利「持てる力を発揮できるよう、気持ちの面を特に注意して乗っていました。速い馬たちを前に置いて、いつでも動ける位置にいれたのは理想的でしたね。最後の直線では一瞬前が開いたのでここだ!と突っ込んで行きましたが、馬も怯まず突き抜けてくれました」と振り返った。

 管理する角川秀樹調教師は2001年のアサティスダイオー、2004年のアブソルートダンス、2009年のオノユウ、2015年のタイニーダンサー、2016年のバンドオンザラン、2019年のバブルガムダンサーにつづき7回目の勝利。相性の良いレースだけに「冬場からこのレースに向けて頑張って来てるから、何回勝っても嬉しいですね」と笑顔。「一週前の追い切りでイマイチ反応が良くなかったので、中間、ゲートから出して1000mコースで追い切ったのが良かったのかな。人気馬を見ながらレースできた位置取りも良かったし、馬の間を割って突き抜けてった時は素晴らしいセンス、勝負根性のある馬だなと感心しました」と絶賛した。

 モーニングショーは、父シニスターミニスター、母ロマンチック、その父サウスヴィグラスという血統の2歳牡馬。生産は、2018年のセントライト(G2)記念を制したジェネラーレウーノや、2021年の日経新春杯(G2)2着のミスマンマミーアなどの故郷、日高町の新生ファーム。母ロマンチックは佐賀競馬所属で24戦10勝、九州ジュニアチャレンジなど地元重賞3勝をあげた活躍馬で、本馬は母の3番仔となる。次走はブリーダーズゴールドジュニアカップを予定しており、11月のJBC2歳優駿(Jpn3)に向けて勝ち星を重ねて行って欲しい。