北海優駿はラッキードリームが二冠達成
6月17日、門別競馬場ではダービーシリーズ第7戦となるSTV杯第49回北海優駿(H1)【ルヴァンスレーヴ賞】がダート2000mで行われた。
今年は少数精鋭、牡馬8頭が3歳馬の頂点を目指した。1.3倍の断然の1番人気に推されたのは、一冠目北斗盃を完勝したラッキードリーム。主戦石川倭騎手も復帰し、万全な体制で二冠目に挑む。2番人気は同厩舎の僚馬、リーチで4.0倍。北斗盃では1馬身差の2着、状態も上向きで虎視眈々と逆転のチャンスをうかがう。2頭から離された10.2倍の3番人気はオタクインパクト。距離延長は歓迎、青森産馬の意地を見せつけたいところだ。
レースは4コーナーポケット地点からスタート。お互い牽制しながらゆったりとしたペースで進むホームストレッチ、ハナを主張したのは7番人気のコスモダラニ。リーチ、テイクアターン、クライマックスなどがつづき、ラッキードリームとオタクインパクトは並んで後方を進んだ。一団だった馬群は向こう正面でバラけはじめ、3コーナー手前でラッキードリームが進出を開始、4コーナーで外から強襲するが、タイミングを見計らっていたリーチがスパート。残り200mで鼻面を合わせ、クビの上げ下げのマッチレースとなった。残り100m、ラッキードリームが先頭に立つと1馬身の差を付け49代目の北海優駿勝ち馬に輝いた。勝ち時計は2分11秒9(曇・良)2着はリーチ、5馬身差の3着にオタクインパクトと、人気通りの決着だった。
現在リーディング爆走中の石川倭騎手、ダービー制覇は2015年のフジノサムライ以来2度目の勝利だった。「多少プレッシャーも感じていましたが、馬の力を出し切ることに集中して、折り合いのつく馬なので距離に関しては気にならなかったですね。調教に乗った感じだと前走よりいい状態でしたし、周りを見ながら、向こう正面でいい位置が取れたのでそのまま勝負に出ました。前を行くリーチの追ってからの反応が素晴らしかったですが、ラッキードリームも力強く走りきってくれました。三冠を取れるように頑張りたいと思います」と力を込めた。
林和弘調教師はこれが北海優駿初制覇、北斗盃につづき管理馬のワン・ツーフィニッシュという最高の結末に笑顔が溢れた。「正直状態はリーチの方がよかったし、ジョッキーは後ろの馬を気にして前と差があったのでリーチにやられるかな、と途中までヒヤヒヤしていました。でも底力で押し切ってくれた印象ですね。こんな機会は滅多にないので、三冠を取れるように調整を続けたいですね」と気持ちを新たにしていた。
ラッキードリームは父シニスターミニスター、母サクラスリール、母の父ファンタスティックライトという血統の3歳牡馬で、生産はサクラローレルやサクラチヨノオーなど“サクラ”の名馬を送り出してきた新ひだか町の谷岡牧場。次走はいよいよ三冠目となる王冠賞。2019年に三冠を達成したリンゾウチャネル以来6頭目の戴冠を目指す。