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ヒダカソウカップはルナクレアが重賞初制覇

  • 2021年06月23日
  • 外に進路を取り突き抜けてくるルナクレア
    外に進路を取り突き抜けてくるルナクレア
  • 先に抜けたクオリティスタートを1/2馬身凌ぎ切り重賞初制覇
    先に抜けたクオリティスタートを1/2馬身凌ぎ切り重賞初制覇
  • 厩舎スタッフに迎えられる笑顔の小野騎手
    厩舎スタッフに迎えられる笑顔の小野騎手
  • 7度目の重賞挑戦でタイトルを手にした
    7度目の重賞挑戦でタイトルを手にした
  • 嬉しい口取り写真
    嬉しい口取り写真

 ホッカイドウ競馬では6月16日、牝馬による重賞レースAIR DO賞第7回ヒダカソウカップ(H2)【マジェスティックウォリアー賞】が門別競馬場内回り1600mで行われ、8月の交流重賞ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)を目指す3歳から8歳までの牝馬たち14頭によって争われた。

 1番人気は2歳時ブロッサムCを制し、南関東へ移籍。昨夏からホッカイドウ競馬に戻り自己条件戦から着実に勝ち星を重ねてきたネーロルチェンテで2.5倍。ここからもう一度輝きを取り戻したいところだ。2番人気は3歳馬スマイルミュで2.7倍。こちらもホッカイドウ競馬デビューから南関東を経て帰郷、前走留守杯日高賞で重賞初制覇を果たし、古馬に挑む。4.3倍の3番人気は19、20年のヒダカソウCを連覇したクオリティスタート。前走は同条件のレースで久々の勝利を挙げ、得意のコースで三連覇を目指す。

 横一線のスタートから7番人気のマリーンワンがハナを奪うとスマイルミュ、エムティアン、ネーロルチェンテが続き、ほぼ一団。3コーナーの勝負どころで進出を開始するネーロルチェンテ、一旦は先頭に立ったが内からクオリティスタート、外から猛然と追い込んできたルナクレアの強襲に遭い後退、ルナクレアは並ぶまもなくクオリティスタートをも差し切り、初重賞勝利を飾った。勝ち時計は1分44秒5(曇・良)1/2馬身差の2着にクオリティスタート、3/4馬身差の3着にはメンバー中上がり最速の脚で追い込んできた13番人気のストラールが入線し波乱を演出、1番人気のネーロルチェンテは6着に敗れた。

 前走からコンビを組んだ小野楓馬騎手は、今季重賞初勝利。惜敗続きだったパートナーに「まずは一つ目の重賞を取ることができて嬉しい」と笑顔。「前走より気合が乗っていて仕上がっているなと感じました。前目の位置につけてしっかり追えば最後まで伸びてくれる馬なので、馬の力を信じて乗りました。道中理想的なポジションが取れましたし、直線でも力が残っていたのでなんとか頑張ってくれと最後まで精一杯追いました。馬も応えてくれましたね」と振り返った。

 管理する田中淳司調教師は「状態はいつも良いし、調教も動いてくれる馬なんですが、レースに行くと真面目に走るタイプじゃないのでなかなか重賞に手が届きませんでしたね。4番人気で人気があったわけじゃないし、気楽に乗っておいでと騎手には声をかけました。内側に潜り込んで上手く乗ってくれましたね。やっと重賞ウイナーの仲間入りを果たせて嬉しいです」と声を弾ませた。

 ルナクレアは父プリサイスエンド、母サクセスベルーナ、母の父シンボリクリスエスという血統の4歳牝馬。生産は浦河町の高岸順一さん。祖母サクセスビューティは2002年のフィリーズレビュー(G2)勝ち馬、母の全兄に2009年のフェブラリーS(G1)などG・Jpn1 3勝のサクセスブロッケンがいる血統馬だ。これまで6回重賞に挑戦、2着1回、3着2回と力のあるところは見せており、7度目の挑戦で初戴冠となった。