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北海道スプリントC(Jpn3)はヒロシゲゴールドが勝利

  • 2021年05月31日
  • 最後の直線、一騎打ちとなったリュウノユキナとヒロシゲゴールド
    最後の直線、一騎打ちとなったリュウノユキナとヒロシゲゴールド
  • 歯を食いしばり、1/2馬身凌ぎ切った
    歯を食いしばり、1/2馬身凌ぎ切った
  • ハイタッチで喜びを共有する北村騎手と北出調教師
    ハイタッチで喜びを共有する北村騎手と北出調教師
  • 惜敗続きにピリオド。堂々と重賞勝ち馬の仲間入り
    惜敗続きにピリオド。堂々と重賞勝ち馬の仲間入り
  • 喜びもひとしおの口取り写真
    喜びもひとしおの口取り写真

 5月27日、門別競馬場では今年最初の中央競馬交流重賞となる日刊スポーツ賞・第25回北海道スプリントカップ(Jpn3)がダ1200mで行われた。

 今年はJRA所属馬4頭、他地区大井からサンロアノークが参戦、地元ホッカイドウ競馬所属馬9頭の計14頭で争われた。

 人気はやはりJRA所属馬に集中。1.3倍の1番人気に推されたのは、ホッカイドウ競馬出身のリュウノユキナ。在籍時に札幌競馬場で行われたすずらん賞に優勝すると、3歳時にJRAへ移籍。着実にステップアップを重ね、ダ1200mに照準を定めてからオープン、東京スプリント(Jpn3)と三連勝し、デビューの地に凱旋した。2番人気はスマートアルタイルで5.0倍。こちらもダート短距離で頭角を表し、重賞は初挑戦となるが、二連勝中の勢いのある馬だ。6.8倍の3番人気は、クラスターC(Jpn3)2年連続2着の実績があるヒロシゲゴールド。地元勢では今季からホッカイドウ競馬に移籍してきた9歳馬、スマートアヴァロンで22.0倍の4番人気が最高だった。

 5月16日、北海道全域に出された緊急事態宣言に伴い、無観客開催に逆戻りした門別競馬場。静まり返ったスタンドにファンファーレが鳴り響いた。2コーナーポケット地点からレースはスタート。好スタートを見せたのは3番人気のヒロシゲゴールド、しかしそれを制するように押して紅一点のアザワクがハナを奪う。2馬身程あけてダノンチャンス、ヒロシゲゴールド、リュウノユキナ、サンロアノークらがつづく。直線を向いてもスピードが衰えないアザワク、直後に迫るヒロシゲゴールドとリュウノユキナ。残り200mでアザワクを競り落とすと、2頭の一騎打ちとなった。100mに及ぶ競り合いの末、ヒロシゲゴールドが1/2馬身凌ぎ切り、重賞初勝利を飾った。勝ち時計は1分12秒3(曇・良)2着にリュウノユキナ、2馬身1/2差の3着はスマートアルタイル、4着は12番人気のニットウスバルが入線し、地元勢最先着となった。

 コンビを組んで3戦目で重賞勝利に導いた北村宏司騎手は「前走、東京スプリント(Jpn3)の時も頑張ってくれて、その後疲労もあったようですがケアして連れてきてくれて、返し馬で跨った感じはよかったです。抜群のスタートから内の馬を見ながら、馬のリズムで理想通りのレース運びができたと思います。直線に入ってからリュウノユキナが来ているのがわかり、やっぱり来たかと。簡単に並ばれてしまったし、こちらも脚色は苦しかったですが、顔を並べて競り合っていくうちにグッと歯を食いしばって伸びてくれましたね」と声を弾ませた。

 管理する北出成人調教師は「重賞にチャレンジしてもなかなか勝てず、この勝利はオーナーにとっても初重賞勝利となるのでホッとしています。前走、前々走と馬場の悪いところでのレースだったので、馬も堪えていました。長距離輸送も加味して速い調教も本数をこなせず、これで足りるかな、と不安はありましたが、結果的にプラス1キロの馬体重で出走できたのでちょうど良い調整ができたのだと思います。とにかく揉まれる競馬は避けたかったし、大外枠を引いた時点で自分の競馬はできるなと思いましたが、最後、外からリュウノユキナが来た時はやられた!と思いましたよ。騎手が考えて乗ってくれたし、最後まで凌いでくれました。秋にはJpn1を目指したいですね」と喜びを爆発させた。

 ヒロシゲゴールドは、父サウスヴィグラス、母エフテーストライク、母の父ブラックタキシードという血統の6歳牡馬。生産は新ひだか町三石の斉藤正男さんで、2017年のJRAブリーズアップセール取引馬。また、この勝利で同レース史上初となる父サウスヴィグラスとの父仔制覇を成し遂げた。