馬産地ニュース

JRA日高育成牧場で育成馬展示会

  • 2021年04月20日
  • 日高育成牧場で開催された育成馬展示会
    日高育成牧場で開催された育成馬展示会
  • 一番時計を計測したスノーボードロマン2019(内)
    一番時計を計測したスノーボードロマン2019(内)
  • 開催に先立ち挨拶する石丸睦樹場長
    開催に先立ち挨拶する石丸睦樹場長
  • 会場では新型コロナウイルス感染拡大防止対策を実施
    会場では新型コロナウイルス感染拡大防止対策を実施

 4月13日、JRA日本中央競馬会は、浦河町西舎にある日高育成牧場(石丸睦樹場長)において、JRA日高育成牧場育成馬展示会を開催した。

 この展示会はJRA日高育成牧場で育成調教している「2021 JRAブリーズアップセール(第17回JRA育成馬調教セール)」の上場予定馬をお披露目するもの。例年、4月上旬に行われているが、昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から展示会の開催を中止したため、2年ぶりの開催となった。

 2年ぶりの開催となった今年は、受付での検温や消毒、マスク着用、ソーシャルディスタンスの確保など感染防止対策を徹底。さらに、トレセン関係者の来場を断る措置をとった。

 集まった馬主や生産者、報道陣を前に石丸場長は「日高育成牧場では、生産したホームブレッドや1歳市場で購買したJRA育成馬を用いて、さまざまな育成研究を行っています。近年は、育成研究の対象としてトレッドミルを活用した育成調教方法に注目しております。当初は運動器疾患による休養からの立ち上げとして、トレッドミルを活用してまいりました。ここ数年は、トラディショナルな騎乗調教に加えて、トレッドミルを用いて、騎乗せずに強い負荷をかけて、心肺機能を鍛えるトレーニングに取り組んでおります。
 本年度は年明け以降、2週間で3回程度のトレッドミル調教を行い、血液中の乳酸値が10から15ミリモルパーリットルに上昇する運動負荷をかけてまいりました。最終的にはトレッドミルに6パーセントの傾斜を加えまして、ハロン15のスピードで2400mを楽に走ることができることを目標に調教を行ってまいりました。こういった研究成果につきましては、競走成績を検証いたしまして、改めて機会を設けて皆様にお伝えしていきたいと考えております。本日は日高育成牧場で丹精込めて育て上げた育成の成果を披露したいと考えております。また、軽種馬育成調教センターで1年間、研修に励んできた生徒16名も参加いたしますので、彼らの成長にもご注目いただければとおもいます」とあいさつした。

 展示会では58頭を牡と牝、6班に分けて比較展示。続いて52頭を牡と牝、4班に分けて騎乗供覧した。騎乗供覧には石丸場長のあいさつにあった通り、軽種馬育成調教センターの育成調教技術者養成研修第38期生も騎乗。騎乗供覧ではラスト2ハロンを計測した。

 ラスト2ハロンの最速は、上場番号8番のスノーボードロマン2019で22.7秒(11.7秒~11.0秒)。牝の芦毛で父はクリエイターⅡ、母の父はスウェプトオーヴァーボードという血統。日高育成牧場生産のJRAホームブレッドで新規馬主限定セッション対象馬になる。

 2番目のタイムだったのは、スノーボードロマン2019と並走した、上場番号32番のジュエルメッセージ2019で22.8秒(11.7秒~11.0秒)。牝の芦毛で父は本邦2歳新種牡馬のザファクター、母の父はダイワメジャーという血統。昨年の北海道サマーセールにおいて購買。金額は11,000,000円(税込)だった。

 3番目は上場番号53番のポッドシャイニー2019と上場番号84番のフローラルホーム2019で23.7秒(12.4秒~11.3秒)だった。

 日高育成牧場のJRA育成馬は4月19日に出発。翌20日に中山競馬場に入厩する。

 2021 JRAブリーズアップセールは、4月27日に中山競馬場で開催。77頭のJRA育成馬が上場される予定だ。本年は新型コロナウイルス感染症の拡大を防止する観点から、購買登録はメールでの事前登録に限定し、来場者は購買登録者1名に対し、随行者1名に限定。来場者は入場前の検温や手指の消毒、マスク着用、ソーシャルディスタンスの確保などの感染防止対策を実施する。

 事前の購買手続きは4月22日正午まで。事前下見は完全予約制で4月22日から4月25日の10時から16時までで、馬主関係者とトレセン関係者の同伴はできない。騎乗供覧はセール前日の4月26日の12時から。セール当日は馬主受付が8時15分から、実馬展示開始が9時、せり開始が12時となっている。なお、セール当日はトレセン関係者は入場できない。