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北海道日高装蹄師会が装蹄競技大会

  • 2021年04月01日
  • 2年ぶりの開催となった装蹄競技大会
    2年ぶりの開催となった装蹄競技大会
  • 装蹄競技大会に出場した選手
    装蹄競技大会に出場した選手
  • 競技に取り組む出場選手
    競技に取り組む出場選手
  • 競技で作製した蹄鉄
    競技で作製した蹄鉄

 3月29日、道内の認定装蹄師らで組織される北海道日高装蹄師会(武田英二会長、会員78名)は、浦河町西舎にあるJRA日本中央競馬会日高育成総合施設軽種馬装蹄所において、第27回装蹄競技大会(全国装蹄競技大会予選会)を開催した。

 この大会は会員の装削蹄技術の向上、並びに連帯強化を目的としたもの。10月に栃木県宇都宮市で開催予定の全国装蹄競技大会の予選を兼ねており、上位5名に出場権が与えられる。毎年この時期に開催されているが、昨年は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で中止となったため、2年ぶりの開催となった。

 今年の大会は新型コロナウイルス感染予防対策の観点から開催規模を縮小。来賓の出席、表彰式などを取りやめ、出席は会員限定とした。出席者は検温のほか、手指の消毒、マスクとフェースガードを着用。大会には27歳から44歳までの会員5名が参加のほか、JRA日高育成牧場から1名がオープン参加した。

 開会式で宮下裕行副会長は「昨年の競技大会は中止となり、選手のみなさまには大変ご迷惑をおかけしましたが、本年度の大会は感染予防対策を徹底したうえで開催されることになりました。選手、並びに会員、協力したいただいたみなさまには、大変ご不便をおかけしますが、よろしくお願いいたします。選手のみなさまにおかれましては、日ごろの練習の成果を出せるよう、怪我のないよう頑張ってください」とあいさつした。

 競技は、3分。6鉄桿を用い、後肢左右の蹄鉄を所用時間25分で作製する単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ)(200点満点)、判断用馬1頭につき所用時間25分で与えられた判断用紙に記入提出する装蹄判断(100点満点)、指定された実馬の前肢1蹄に合わせた07タイプ蹄鉄1個を単独で造鉄し、その蹄鉄を用いた装蹄と本会会長が指定する課題蹄鉄1個の造鉄を、所要時間60分以内で完了する装蹄(370点満点)の3種目。審査は宮下副会長を競技審査委員長に、門別尚省副会長、森野健太理事、中館敬貴氏の3名が競技審査委員となり4名が担当した。

 審査の結果、浦河町の大東正史氏が、3つの競技すべてで1位となり優勝。第17、18、19、20、23、24、25回に続き通算8度目のトップになった。

 閉会式で武田会長は「選手のみなさま、会員のみなさま、事務局のみなさま、今日はこのコロナ禍の中、お集まりいただきありがとうございました。今回開催するにあたって、出場したい選手がいるなら開催しなければという思いでした。迷いはありましたが、開催してよかったと思います。ひとえに皆様のおかげと感謝申し上げます。まだ、全国大会が開催されるかわかりませんが、出場が決まった5名の選手のみなさまは、全国大会は開催されるという思いをもって、今後も練習に励んでください」とねぎらった。

 優勝した大東氏は「まずは無事に開催できたことがうれしく思いました。今回は自分の弟子と一緒に出場しました。弟子に自分の技術を見せたかったことと、若い選手たちが伸びている中で、自分も負けられないという気持ちで臨みました。落ち着いてできたので自分のなかでも納得しています。まだ全国大会が開催されるかわかりませんが、開催されるのなら総合優勝を目指したいです」と話した。

結果は下記の通り(敬称略)。

優勝:大東正史(浦河町)507.5点
準優勝:岡本昴昌(浦河町)448点
3位:茂貴紀(浦河町)375点
4位:尾崎智久(苫小牧市)370.5点
5位:佐竹政人(浦河町)367.5点

部門賞
単独造鉄:大東正史(浦河町)141点
装蹄判断:大東正史(浦河町)77.5点
装蹄:大東正史(浦河町)289点