日本軽種馬協会静内種馬場で2020年(第42期)生産育成技術者研修修了式
3月22日、公益社団法人日本軽種馬協会(河野洋平会長理事)は、新ひだか町静内田原にある静内種馬場において、2020年(第42期)生産育成技術者研修の修了式を執り行った。
修了式は昨年に続き新型コロナウイルス感染症防の流行に終息が見えないため、昨年に続き地元行政や軽種馬生産関係の来賓や研修生の家族、就業先の関係者の出席を取り止め。三密を避け感染対策を徹底して挙行された。
この日、晴れて研修の修了を迎えた第42期生は、北海道、秋田県、宮城県、神奈川県、長野県、岐阜県、熊本県から受講した18歳から35歳までの9人。昨年4月の入講から1年間に渡り、実技や学科、実習などを通して軽種馬生産育成に関する技術や知識を身につけたという。修了式の前には屋内馬場で騎乗供覧が行われた。
今年2月から供用を開始した研修所の講義室で行われた修了式では、遊佐繁基場長が研修生に修了証書と記念品を授与。本部から駆け付けた益満宏行副会長理事は「昨年は、新型コロナウイルスの感染が拡大し、日本のみならず世界各国、各地で人々が生命の深刻な危機に直面するという未曽有の事態となりましたが、そうした中、競馬の興行成績、軽種馬生産界の業績はともに前年を上回ることができました。このように一時期苦しい状況に置かれていた競馬産業も、ここ数年盛り上がりを見せておりますが、いつの時代においても、競馬を盛り立てていくためには、多くのファンを引き付けるような強い競走馬を生産、育成し、競馬の魅力を向上させることが最重要課題の一つとなっており、そのためには生産育成の分野における、専門的な研修を受けられた、皆様のような技術者の力が不可欠でございます。
本協会では、生産育成界の期待に応えうる技術者を養成するため、平成2年より本研修を実施してまいりましたが、その修了者は皆様を含め、今年で464名となりました。本研修修了者に対する、業界内の評価は非常に高く、修了生の定着率は約8割と高い水準にあり、競馬サークルに少なからぬ貢献をいたしております。本研修が競馬サークル内でこのように高い評価を得られるようになった背景には、皆様の先輩方の尽力があったのはいうまでもありません。皆様もプロとしてこの道を選択されたからには、自分を厳しく律して精進され、生産育成界の担い手となってください。わたくしどもは、皆様がここで学ばれた知識や技術を余すところなく実践の場で発揮されることを心から願っています。結びに、改めまして皆様の研修修了を心からお祝い申し上げますとともに、今後のご健勝、ご活躍をお祈り申し上げまして、はなはだ簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます」と河野会長理事の祝辞を代読した。
最後は研修生を代表して宗形未海さんが謝辞。ほとんど未経験から騎乗技術をレベルアップした過程での喜びや苦労、課外研修で得た心構えなどを振り返り「1年間の研修生活を無事に終え、修了を迎えることができたもの、先生方のご指導の賜物と修了生一同、心より感謝申し上げます。また、食事や生活面でいつも支えてくださった寮母の藤原さん、漆原さん、この研修にご尽力いただいた多くの皆様に感謝いたします。本当にありがとうございました。そして、最後に今日まで先生として、時に良きパートナーとして不慣れな私たちに馬のことをその身をもって教えてくれた研修乗馬たちに感謝します」と頭を下げた。