馬産地ニュース

胆振獣医師会が産業動物(馬)講習会

  • 2019年10月28日
  • 「馬の最新画像診断」がテーマになった講習会
    「馬の最新画像診断」がテーマになった講習会
  • 講師に招かれた山田一孝麻布大学獣医学部臨床診断学研究室教授
    講師に招かれた山田一孝麻布大学獣医学部臨床診断学研究室教授
  • 主催者を代表してあいさつする田中秀俊会長
    主催者を代表してあいさつする田中秀俊会長

 10月25日、胆振獣医師会(田中秀俊会長)は、苫小牧市若草町にある日胆農業会館3階会議室において、令和元年度産業動物(馬)講習会を開催した。

 講習会は公益社団法人北海道家畜畜産物衛生指導協会との共催で、全国公営競馬獣医師協会、胆振獣医師会馬部会が協力。1998年から毎年秋に開かれており、22回目を迎えた今年は、「馬の最新画像診断」がテーマになった。

 講習会には胆振獣医師会の会員、JRA日高育成牧場の獣医師、JBBA日本軽種馬協会静内種馬場の獣医師、みなみ北海道農業共済組合の獣医師、日高軽種馬農業協同組合の獣医師、胆振や日高で活躍する開業獣医師、軽種馬生産育成牧場の獣医師、医療機器関係者など約90人が出席。田中会長は「朝早くから皆さん、お集まりいただきありがとうございました。この会がこのように開催できるのは、皆様方の出席と各関係団体のご協力のおかげと感謝申し上げます。わたしども馬部会も、皆様方のご要望に沿うような講習会をしようと頑張っております。今回も素晴らしい講師の先生をお招きしてます。明日からの診療に、必ずや役立つと思います。先日、凱旋門賞(G1)があり、日本の馬も出て、もう毎年毎年出ています。勝つのそこまで来てるよ、と皆さんいうんですけど、ここからが一番難しいのではないかという気がしています。それを実現するのは、今日、ここにお集まりの先生方だと思います。是非とも、頑張って、世界最高峰のレースを獲るように向かっていきたいと思います。そのための講習会です。よろしくお願いいたします」とあいさつした。

 続いて馬部会の加藤史樹会長が「本日の内容ですが、馬の最新画像診断ということで、MRI、CTがメインとなりますが、私も含めこの教育を受けていない獣医師が多いのかと思います。将来的にもこのような機会に触れることは減ることがなく、むしろ多くなるということも考えまして、今年のテーマに選びました」と説明。

 午前中は麻布大学獣医学部臨床診断学研究室の山田一孝教授による「先端画像診断検査」と「X線撮影における放射線防護」を演題にした講演が行われた。

 講師の山田教授は、平成2年に帯広畜産大学を卒業。その後、第一製薬株式会社中央研究所に勤務。平成9年に岐阜大学大学院連合獣医学研究科博士課程を修了し、同年から帯広畜産大学畜産学部助手、その後、カリフォルニア大学で研修し、平成14年から帯広畜産大学畜産学部助教授に、平成20年には教授に、そして、平成28年から麻布大学で教授として活躍している。山田教授は「先端画像診断検査」の中で、立位MRI、CT、シンチグラフィーについて解説。「放射線防護」では法令、放射線の人体に及ぼす影響、X線装置の安全取扱いについて説明した。

 午後からはランチョンセミナーをはさんで、4人の講師が講演。最後は総合討論が行われた。