馬産地ニュース

札幌馬主協会が第16回馬産地懇談会

  • 2019年10月23日
  • 馬作りの持論を熱弁する藤原英昭調教師
    馬作りの持論を熱弁する藤原英昭調教師
  • 主催者を代表してあいさつする吉田照哉会長理事
    主催者を代表してあいさつする吉田照哉会長理事
  • 約170人が出席した馬産地懇談会
    約170人が出席した馬産地懇談会

 10月21日夜、一般社団法人札幌馬主協会(吉田照哉会長理事)は、新ひだか町静内吉野町にある静内エクリプスホテル2階エクリプスホールにおいて、第16回馬産地懇談会を開催した。

 馬産地懇談会は同協会の恒例行事として、会員の大多数を占める日高管内の軽種馬生産者の地元で毎年10月に開催。講演会と懇談会の2部構成となっており、今年は講師にJRA日本中央競馬会の藤原英昭調教師が招かれた。当日は東京競馬場で代替開催があったにもかかわらず、吉田照哉会長理事や藤原悟郎副会長理事や会員のほか、来賓としてJRA札幌競馬場の植木聡場長や日高軽種馬農業協同組合の木村貢代表理事組合長、軽種馬青年部部員、牧場従業員、関係団体職員など約170人が出席した。

 懇談会を主管した札幌馬主協会事業サービス委員会の岡田牧雄委員長は「講師の藤原調教師はものすごくエネルギッシュで前向きでモチベーションが高く決断が早いという印象を私は持っていましたので、今日のお話を大変楽しみにしています。皆様にとって有意義で楽しい時間になることをご祈念いたします」とあいさつ。主催者を代表して吉田会長理事は「今日ここにご出席された皆様は馬に対して熱意があって熱心な方と思います。最後に質疑応答の時間も取ってあります。普段調教師さんがどんなことを考えてやってるのかを聞く良い機会ですので、皆さん良い質問を投げかけてください」と促した。

 藤原調教師は昭和40年生まれの滋賀県出身。厩舎育ちの藤原調教師の子供の時の夢は騎手。体重制限により騎手への夢を断念してからは馬術の道に進み、平成元年9月から星川薫厩舎にて調教助手、平成12年より調教師として活躍。平成19年に最高勝率調教師賞、優秀調教師賞(関西)3位、JRA賞(最高勝率調教師)を受賞したのを皮切りに毎年のように表彰され、平成30年にはJRA賞(最多勝利調教師)、優秀厩舎賞(関西)1位、中京競馬記者クラブ賞を受賞している。これまで手掛けた活躍馬は、2010年の日本ダービー(G1)優勝のエイシンフラッシュ、2018年の皐月賞(G1)優勝のエポカドーロ、本年の高松宮記念(G1)優勝のミスターメロディなど多数。10月20日終了現在、JRA通算709勝、地方・海外あわせて722勝を記録している。

 「点を線にして行く藤原厩舎の馬作り」と題した講演で藤原調教師は、先日の菊花賞(G1)をワールドプレミアで制した武豊騎手とオーストラリアのコーフィールドC(G1)をメールドグラースで制したダミアン・レーン騎手の騎乗フォームをイラストで解説。ハミの上にエネルギーすべてを乗せてコントロールするオンザビットの重要性を説いた。また、京都大賞典(G2)をステップにマイルチャンピオンシップ(G1)に優勝したトーセンラー、皐月賞(G1)優勝から日本ダービー(G1)2着のエポカロードのエピソードやエイシンフラッシュの日本ダービー(G1)制覇などのエピソードも披露。最後はJRAへの提言で締めた。