馬産地ニュース

ホッコータルマエが札幌競馬場で展示

  • 2019年09月03日
  • 最終レース終了後にも関わらずたくさんのファンが再会を待ちわびた
    最終レース終了後にも関わらずたくさんのファンが再会を待ちわびた
  • ホッコータルマエ応援団のみなさん
    ホッコータルマエ応援団のみなさん
  • 思い出を語る矢部スエさん
    思い出を語る矢部スエさん
  • 種馬らしい猛々しい姿を披露した
    種馬らしい猛々しい姿を披露した

 8月31日、毎年恒例となった札幌競馬場のスタリオン展示イベントとして、チャンピオンC(G1)などダートG・Jpn1競走10勝をあげたホッコータルマエが来場、ファンにお披露目された。

 ホッコータルマエは父キングカメハメハ、母マダムチェロキー、母の父Cherokee Runという血統の10歳牡馬。浦河町の市川ファーム生産馬で、競走成績は国内・海外合わせて39戦17勝。2010年北海道セレクションセールにおいて1,575万円(税込)で取引され、矢部幸一氏の所有馬として栗東の西浦勝一厩舎へ入厩した。デビューは3歳、2戦目の小倉のダート1700m戦で勝ち上がると、路線をダート中距離に定めレパードS(G3)で重賞初勝利。4歳になり、佐賀記念(Jpn3)、名古屋大賞典(Jpn3)、アンタレスS(G3)と連勝を重ね、かしわ記念(Jpn1)で当時の最強馬エスポワールシチーを下しJpn1を制覇。ドバイワールドカップ(G1)にも日本の代表として3度選出され遠征。結果は残せなかったものの、全国の競馬場でG・Jpn1競走10勝をあげ、2016年のJBCクラシック(Jpn1)2着を最後に現役を引退。現在は新冠町の優駿スタリオンステーションと浦河町のイーストスタッドを2年置きに移動する国内シャトルスタリオンとして繋養されている。初年度は164頭、2年目は182頭に種付けされており、現1歳となる初年度産駒の評判も上々だ。

 最終レース終了後行われたスタリオン展示は多くのファンが残り、パドックを囲んだ。そして「とまこまい観光大使」を務めているホッコータルマエには苫小牧市から応援団が集結し、登場を待ちわびていた。

 鈴木淑子さん司会の元、故・矢部幸一オーナーの奥様である矢部スエさんをゲストに迎えホッコータルマエとの思い出を語った。

 矢部スエさんは「一番最初にこの馬を見たのはセレクションセール会場でした。いい顔をした、美男子だなぁというのが第一印象でしたね。一番思い出に残っているレースは、チャンピオンズC(G1)。その頃主人はもう亡くなっていて、主人の遺影を持って競馬場に駆けつけ、娘と二人で涙したのを覚えています」とエピソードを披露した。

 終盤には主戦を務めた幸英明騎手から「現役時代はコンビを組んでダートG1を10勝も勝たせてもらいました。今でも忘れられない馬の1頭です。種牡馬として新しい環境になったと思うけど、現役時代同様、活躍を期待しています。ホッコータルマエの子供たちにも騎乗できるのを楽しみにしています」とサプライズメッセージが。当日小倉競馬場で騎乗していたため臨場できなかったものの、暖かいメッセージを贈られ、スタリオン展示は幕を閉じた。