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リリーCはプリモジョーカーが逃げ切り勝ち

  • 2019年09月03日
  • 最内で逃げ込みを図るプリモジョーカー
    最内で逃げ込みを図るプリモジョーカー
  • スピードの違いで重賞初勝利を飾った
    スピードの違いで重賞初勝利を飾った
  • 活躍馬を輩出するファミリーから新星誕生
    活躍馬を輩出するファミリーから新星誕生
  • 新人・小野楓馬騎手にとっても重賞初勝利
    新人・小野楓馬騎手にとっても重賞初勝利
  • 表彰式での関係者の皆さん
    表彰式での関係者の皆さん

 8月29日、門別競馬場では2歳牝馬による重賞、HTB杯第16回リリーカップ(H3)【ラブリーデイ賞】がダート1200mで争われた。

 今年は13頭がエントリー。1番人気は、パイロ産駒のエンジェルパイロで2.8倍。東京2歳優駿牝馬を制したエンジェルツイートを母に持つ良血馬が期待を集めた。2番人気もパイロ産駒のバブルガムダンサーで2.9倍。栄冠賞優勝後、函館2歳S(G3)に挑戦(15着)。その後はこのレースを目標に調整が進められてきた。3番人気は、フルールCで重賞初勝利を飾ったシニスターミニスター産駒のコーラルツッキーで4.7倍。今年もレベルの高い2歳牝馬が顔を揃え、女王の座を目指した。

 レースは向こう正面中間からスタート。大外飛び出したのは9番人気のグローリアスレゴン、内からプリモジョーカーがそれを制し先頭へ。エンジェルパイロ、ミナトノヨーコ、バブルガムダンサーもつづき、縦長の展開になった。セーフティーリードを保っていたプリモジョーカーに、グローリアスレゴン、人気のエンジェルパイロも鞭を振るって詰めてくる。しかし持ったままのプリモジョーカーに追いつくことはできず、3馬身の差を付けて逃げ切り勝ちを収めた。勝ち時計は1:12.5(曇・重)。2着はスパロービート産駒のグローリアスレゴン、2馬身差の3着はアンライバルド産駒のミナトノヨーコ(10番人気)が入線し、波乱を演出した。

 プリモジョーカーを勝利に導いたのは、今年デビューしたばかりの小野楓馬騎手。19歳の若武者が人馬共に嬉しい重賞勝利をあげた。「1年目から重賞を勝てるような馬に乗せていただけたことに感謝します」と喜びを爆発させた。レースに関しては「返し馬から気がしっかり入っていて強い馬は違うな、という印象を受けました。スタートダッシュを決め、ハナにいくつもりでしたし、思い描いた通りのレースができました」と爽やかな笑顔を見せた。

 管理する角川秀樹調教師は、同レース9回目の勝利。「相性の良いレースですし、4頭出しでしたからね。この馬に関しては内枠を活かして思い切って行ってくれと指示を出していました。新人といってもキモが据わっていてしっかり乗ってくれる騎手ですから、上手く乗ってくれました」と振り返った。

 プリモジョーカーは父スズカコーズウェイ、母ベラトリックス、母の父スマートボーイという血統の2歳牝馬で、新ひだか町静内にあるグランド牧場のオーナーブリーディングホース。半姉モダンガール、半兄イグナシオドーロはブリーダーズゴールドジュニアC、北海道2歳優駿(Jpn3)を制した活躍馬。このファミリーから誕生した新星に、これからも目が離せない。