馬産地ニュース

静内農業高等学校生産馬が北海道サマーセールで売却

  • 2019年08月30日
  • 北海道サマーセールで落札された桜翔
    北海道サマーセールで落札された桜翔
  • 富樫賢二オーナーと生徒を交えての記念撮影
    富樫賢二オーナーと生徒を交えての記念撮影
  • 育成場へ移動した桜翔。来年札幌でのデビューを目指す
    育成場へ移動した桜翔。来年札幌でのデビューを目指す
  • 馬房に貼られた馬名プレート
    馬房に貼られた馬名プレート

 8月22日、新ひだか町静内田原にある国内でただ一校、軽種馬の生産、育成に取り組んでいる北海道静内農業高等学校(志賀聡校長、生徒数126名)は、新ひだか町静内神森の北海道市場において開催された北海道サマーセール第4日目に生産馬を上場し、3,672,000円(税込)で売却した。

 売却したのは父が日本軽種馬協会静内種馬場に繋養されるエスケンデレヤ、母がマドリガルスコア、母の父がダンスインザダークという血統の牡1歳の鹿毛。血統名は「桜の名所にある静内農業高校から全国に羽ばたいてほしい」と、桜翔と名付けられた。

 桜翔は昨年4月4日に誕生。以来、生産科学科の生徒が愛情をこめて育ててきた。種付けから生産、育成と、折に触れて日本軽種馬協会の職員もサポートし見守ってきたという。

 せりでは日本軽種馬協会静内種馬場でインターンシップした3年生の矢野颯之新さんが引き馬を担当。2,000,000円からスタートすると、すぐに複数のバイヤーから声がかかり、最後は馬主歴30年、「トミケン」の冠名で数多くの競走馬を所有する札幌市の富樫賢二さんが落札した。

 富樫さんは「馬も良かったですし、高校生が一生懸命育ててきたということにも胸をうたれ夢を買いました。中央競馬で走らせたいと思います。来年の札幌でデビューできれば」。桜翔と生徒とともに記念写真に納まった。

 大役を務めた矢野さんは「ホッとしました。今後の活躍を期待しています」。生徒を指導してきた若松勇太教諭は「関係者の皆様に感謝。生徒たちもこの日のために頑張ってきました。今後の励み、財産になったと思います」と話した。

 桜翔は8月29日、大安の日を選んで北海道静内農業高等学校から、育成先となる新ひだか町静内東蓬莱の三石軽種馬共同育成センターへ移動。前川則久代表は「オーナーの期待や高校生の思いに応えるためにもしっかり育成していきます」と語った。