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キズナが新種牡馬では第一号となるJRA重賞初制覇をあげる

  • 2019年07月24日
  • 勝ち時計の1分9秒2は、2歳コースレコードタイとなった
    勝ち時計の1分9秒2は、2歳コースレコードタイとなった
  • 鞍上の藤岡騎手は、この勝利が今年の重賞3勝目となる
    鞍上の藤岡騎手は、この勝利が今年の重賞3勝目となる
  • ビアンフェの表彰式にも登壇した福田マネージャー
    ビアンフェの表彰式にも登壇した福田マネージャー
  • キズナの産駒はセールでも高い評価を受けている
    キズナの産駒はセールでも高い評価を受けている

 7月21日に行われた函館2歳ステークス(G3)は、新冠町・ノースヒルズ生産のビアンフェ(牡2、中竹)が優勝。父であるキズナに待望の重賞初勝利を授けた。

 キズナは新冠町・ノースヒルズで2010年3月5日に誕生。父ディープインパクト、母キャットクイル(父Storm Cat)で、半姉にはG1 3勝馬のファレノプシスの名前もある。

 キズナは2歳時のメイクデビュー京都で初勝利をあげ、続く黄菊賞も勝利。3歳時には毎日杯(G3)で初重賞勝利をあげると、続く京都新聞杯(G2)も制して重賞連勝を果たす。1番人気で臨んだ日本ダービー(G1)では、最後の直線で先に抜け出したエピファネイアを捉えて、第80代の日本ダービー馬の称号を得る。

 その後は陣営から凱旋門賞(G1)挑戦の意向が表明され、前哨戦となるニエル賞(G2)を見事に勝利。凱旋門賞(G1)でも4着入着を果たす。その後は大阪杯(G2)を勝利するなど、古馬の重賞戦線で活躍を見せ5歳時の天皇賞(春) (G1)をラストランとして引退。通算成績は14戦7勝(うち、海外2戦1勝)となっている。

 現役引退後は安平町・社台スタリオンステーションで繋養。繋養初年度の2016年からから269頭の繁殖牝馬を集める人気種牡馬となり、2017年にも212頭、種牡馬入り3シーズン目となる2018年は、152頭の繁殖牝馬に配合を行っている。

 182頭が血統登録をされた現2歳世代では、6月9日に阪神競馬場で行われたメイクデビュー阪神を、ルーチェデラヴィタが優勝。これは本年度に初年度産駒を送り出した新種牡馬では第一号の勝利ともなっている。

 その後も初年度産駒たちは次々と勝ち名乗りをあげているだけでなく、7月23日の時点で26頭がデビューを果たすなど、仕上がりの良さも証明している。ビアンフェだけでなく、父であるキズナもよく知る、ノースヒルズの福田洋志ゼネラルマネージャーは、「産駒は現役時のキズナを彷彿とさせるかのような、背中の柔軟さが遺伝されているだけでなく、2歳戦向きと言える前向きさも現れています。ビアンフェの活躍を見ても、母系の良さを産駒に反映してくれる種牡馬とも言えますし、配合された繁殖牝馬を見ても、これからは父の活躍した芝の中長距離を得意とするような産駒も出てきてくれそうです」と語っている。

 また、ビアンフェの鞍上を務めた藤岡佑介騎手も、「騎乗させてもらった産駒は総じて手脚が長く、それでいながら素軽い動きができている印象を受けます。ビアンフェもそうですが、産駒たちは更なる活躍が見込めそうです」と産駒の印象を話していた。