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栄冠賞はバブルガムダンサーが世代最初の重賞勝ち馬に輝く

  • 2019年07月01日
  • 外から一気に先頭に立ったバブルガムダンサー
    外から一気に先頭に立ったバブルガムダンサー
  • 世代最初の重賞勝ち馬に輝いた
    世代最初の重賞勝ち馬に輝いた
  • 角川調教師に迎えられ1着の枠場へ
    角川調教師に迎えられ1着の枠場へ
  • 派手顔のアイドルホース
    派手顔のアイドルホース
  • 表彰式で記念品を手にした関係者のみなさん
    表彰式で記念品を手にした関係者のみなさん

 6月27日、日本一早い2歳重賞となるTVh杯第44回栄冠賞(H2)【リオンディーズ賞】が、門別競馬場ダート1200mで行われた。

 フレッシュ、アタックチャレンジ競走を勝ち上がった牡馬5頭、牝馬6頭の計11頭が顔を揃えた。2.9倍の1番人気に推されたのは、2011年のサッポロクラシックC、船橋の平和賞などを制し、NAR2歳最優秀牝馬を受賞したエンジェルツイートの2番仔エンジェルパイロ(牝、父パイロ)。母譲りのスピードと仕上がりの早さでフレッシュチャレンジ競走を3馬身差の逃げ切り勝ち。重賞でもその能力の高さを遺憾なく発揮したいところだ。4.2倍の2番人気は、父マジェスティックウォリアーの本邦初年度産駒となるヘイセイメジャー。デビュー戦は6馬身差の圧勝、続くウィナーズチャレンジ競走ではハナ差2着に敗れたものの、最後方から上がり最速で追い込んだ鬼脚は衝撃を与えた。6.9倍の3番人気はトーセンジョーダン産駒の牝馬、ルミナスアローと、ヘイセイメジャーを除く上位人気は牝馬が占め、牝馬優勢ムードで決戦の火蓋は切られた。

 スタートから人気のエンジェルパイロがハナを取りきり先頭へ。次いで同じパイロ産駒のバブルガムダンサー、シニスターミニスター産駒のコーラルツッキー、ヨハネスブルグ産駒のヨハネスボーイと多彩な種馬の産駒たちが前方で機を伺っていた。直線を向き、後続を離しにかかるエンジェルパイロに、外から道中ピッタリマークしていた524kgの馬体を誇るバブルガムダンサーが襲いかかる。内にはヘイセイメジャー、コーラルツッキーも後方から追い込んで来た。残り100mでバブルガムダンサーが抜け出し、1馬身1/2差で世代最初の重賞勝ち馬に輝いた。勝ち時計は1:14.4(曇・良)2着は内で粘ったヘイセイメジャー、クビ差3着は最後に脚を伸ばしたコーラルツッキー、エンジェルパイロは4着という結果だった。

 バブルガムダンサーの鞍上は、今季重賞3勝目をあげた阿部龍騎手。「スタートを上手に出てくれたので、その後の位置取りなどは余裕を持って選べました。ゆったりとした、トビの大きい馬なので、それを生かすように。追われた時の勝負根性は良いものを持っているなと感じました」と振り返った。

 管理する角川秀樹調教師はコスモバルク記念、赤レンガ記念を勝ったスーパーステション、ヒダカソウCのクオリティスタートにつづき重賞4勝目「大柄でトビの大きい馬なので、前走は内枠で思ったようなレースができなかったのですが、今回は枠もいいし期待はしていました。スタートも、道中の行きっぷりも良かったですし、これならと安心して見ていられました。母オノユウも自分のところで重賞を勝ってくれた馬。負けないように頑張って欲しいですね」と笑顔を見せた。この勝利でJRA函館競馬場で行われる函館2歳S(G3)への優先出走権が得られたが、出走に関しては「うちから他にもウィナーズチャレンジ競走を勝ったアザワク(牝、父カレンブラックヒル)、プリモジョーカー(牝、父スズカコーズウェイ)も権利を得ていますし、なかなか出れるレースじゃないので行きたい旨は馬主さんに伝えました。芝への適性は走ってみないとわからないしね」と前向きに検討しているようだ。

 バブルガムダンサーは、父パイロ、母オノユウ、その父バブルガムフェローという血統の2歳牝馬。日高町のオリオンファーム生産馬で、母オノユウも同レースを制しており、母娘制覇となった。