馬産地ニュース

静内農業高等学校でマクフィ産駒の牡馬が誕生

  • 2019年06月28日
  • 今年生まれた父マクフィ、母マドリガルスコアの牡馬(生後4日目)
    今年生まれた父マクフィ、母マドリガルスコアの牡馬(生後4日目)
  • 二十間道路沿いの放牧地で元気に育っている(生後1カ月)
    二十間道路沿いの放牧地で元気に育っている(生後1カ月)
  • 全国各地から集まった高校生が中心となって育てられる
    全国各地から集まった高校生が中心となって育てられる
  • 昨年誕生した父エスケンデレヤ、母マドリガルスコアの牡馬(2019年5月撮影)
    昨年誕生した父エスケンデレヤ、母マドリガルスコアの牡馬(2019年5月撮影)
  • 北海道市場へ向けて馴致の日々を送っている
    北海道市場へ向けて馴致の日々を送っている

 北海道静内農業高等学校で今年もサラブレッドが誕生した。

 同校は新ひだか町静内の桜の名所“二十間道路”沿いにあり、長年、高校の授業の一環としてサラブレッドの生産をしている。高校で育てられた馬は北海道市場に上場し、中央・地方で立派にデビューを果たしている。過去には、三石町(現・新ひだか町)出身の田中勝春騎手を背に東京競馬場で新馬勝ちしたユメロマンや、JRAで特別勝ちを決めたゴーゴーヒュウガといった生産馬がいる。

 今年生まれたのは父にJBBA繋養種牡馬のマクフィ、母マドリガルスコアという血統の牡馬。母馬は5月25日の夜に産気づいて破水し、出産には同校の若松勇太教諭や学校内で寮生活を送る生徒数人が立ち合った。生産科学科2年の山形采さんは、そのうちの一人。

 「馬の出産を見たのは初めてで、そばで見ているだけでも緊張しました。無事に生まれてくれて感動しました。子馬が生まれて間もなく、転びながらも頑張って立ち上がろうとした姿も印象的でした」と、感想を話した。

 生後一か月が経過し、母子は元気に過ごしている。現在は二十間道路沿いにある広い放牧地で過ごし、学校関係者によると、母マドリガルスコアは子馬の面倒をよくみていて、子馬はしっかりした馬だという。

 同校では新しい繁殖牝馬としてナリタトップスターが入厩しており、こちらは父ディープインパクト、母は英国G3勝ち馬ウェイクアップマギーという血統。この春にマクフィと種付けし、受胎している。出産同様、種付けも可能な限り生徒が立ち会っている。

 昨年生まれた父エスケンデレヤ、母マドリガルスコアの牡馬も元気で、今年の北海道市場に上場予定している。担当している生徒の一人、生産科学科3年の菊地蓮さんは、「気持ちが強い馬で、放牧地ではリーダー的存在です。人とのコミュニケーションに少し苦労する面がありましたが、じっくり引き馬をして、人と接する時間を長くして、だいぶ我慢がきくようになりました。調馬索を始めて、馴致を続けています。セリまで無事に管理していきたいです。この血統が残るように、将来は活躍して欲しい」と、話している。