馬産地ニュース

ノーザンホースパークで第54回「北海道春季馬術大会」開催

  • 2019年06月28日
  • 競技馬としても高い素質を見せるウインマーレライ
    競技馬としても高い素質を見せるウインマーレライ
  • 昨年から好成績を収めている
    昨年から好成績を収めている
  • ギャラリーで一般見学可能
    ギャラリーで一般見学可能
  • 北海道内の高校生、大学生も多数出場した
    北海道内の高校生、大学生も多数出場した
  • 障害重賞馬サナシオン(今年5月の北海道春季馬術大会時)
    障害重賞馬サナシオン(今年5月の北海道春季馬術大会時)

 6月14日~16日、苫小牧市のノーザンホースパークで第54回「北海道春季馬術大会」が行われた。

 北海道乗馬連盟の主催で、日頃馬術を習っていたり、趣味として楽しんだりしている乗馬クラブ会員や乗馬スポーツ少年団員、高校・大学の馬術部の学生、牧場スタッフらが出場した。大会期間中はあいにくの雨に見舞われる時間帯もあったが、各選手が練習の成果を発揮すべく、真剣な表情で競技に挑んだ。

 競技は馬場馬術が29競技、障害飛越が31競技組まれ、朝8時から夕方4時頃まで行われた。ギャラリーは出場選手の家族や関係者、指導者、ノーザンホースパークを訪れた観光客で埋まり、静かに人馬の熱戦を見守っていた。障害飛越の表彰式ではウイニングランがあり、優勝者には会場から温かい拍手が送られていた。

 馬術大会には元競走馬の姿も多く、それぞれ第2の馬生として馬術大会で輝きを放った。酪農学園大学からは東京ハイジャンプ(J・G2)の勝ち馬サナシオンが出場。5月の「北海道新緑馬術大会」に続いての出場で、学生たちとともに汗を流した。

 モモセライディングファームからは重賞4勝馬で凱旋門賞(G1)にも出走したサトノノブレス、日本ダービー(G1)に駒を進めたレッドレイヴン、皐月賞(G1)や安田記念(G1)に出走し、障害競走で勝ち鞍のあるサトノギャラントなどが出場。モモセライディングファームの百瀬利宏さんは、「サトノノブレスは今年から馬術大会デビューとなりました。これから慣れていければと思います。レッドレイヴンは競技前の準備運動を十分にできなくて、今回は結果を出せませんでしたが、上位を狙える馬ですよ。サトノギャラントは馬場馬術から始めて、今は障害飛越にチャレンジしています。競馬の障害飛越から馬術の障害飛越ができるように訓練しているところです。今回はステップアップジャンピングで2位に入りました。どの馬も伸びしろがありますし、馬術の競技馬としても素質を感じています。順調なら夏秋の大会にも出場予定です」と、振り返っていた。

 また、ラジオNIKKEI賞(G3)の勝ち馬ウインマーレライが「標準中障害D Part2」で2位に入った。同馬は2、3年前から大会に出場していて、競走馬時代を思い起こさせる迫力ある動きを見せている。今回コンビを組んだにいかっぷホロシリ乗馬クラブの加藤結さんは、「昨年は優勝した競技もありましたし、馬術大会の競技馬としても実力をつけています。ムラな感じがなく、安定しているのが良いですね。乗馬クラブで最初に障害を試した時から向きそうな感覚があり、その通りになりました。障害に対して前向きで、飛越は上手。今後の大会も出場予定で、活躍を期待しています」と、確かな手応えを伝えていた。

 ほかにも、G1馬のアルフレード(帯広畜産大学)が「標準小障害B Part1」で3位、フォゲッタブル(ノーザンホースパーク)が馬場馬術「L1課目」で4位、モンストール(JRA日高育成牧場)が「標準中障害C Part1」で3位を記録した。

 ノーザンホースパークを会場とした馬術大会は、10月まで開かれる機会が多く、同園に入場すると一般見学できる。