馬産地ニュース

三石で第63回軽種馬1歳馬育成管理品評会

  • 2019年06月13日
  • 牡の最優秀賞はネヴァーフェイドの2018
    牡の最優秀賞はネヴァーフェイドの2018
  • 牝の最優秀賞はリヴァプール2018
    牝の最優秀賞はリヴァプール2018
  • 山のような賞品が贈られた表彰式
    山のような賞品が贈られた表彰式
  • 講評する審査員を務めた高嶋民治JRA日高育成牧場場長
    講評する審査員を務めた高嶋民治JRA日高育成牧場場長
  • 育成管理技術を披露した品評会
    育成管理技術を披露した品評会

 6月11日、みついし農業協同組合(JAみついし、酒井薫代表理事組合長)と三石軽種馬生産振興会(幌村祐司会長)は、第63回三石軽種馬1歳馬育成管理品評会を開催した。

 品評会は育成管理技術の向上と会員相互の親睦を図ることが目的。振興会の伝統行事で、1歳馬の品評会は昔はそれぞれの地区で行われていたが、現在は三石と平取だけで続いている。今年の品評会には予選会を通過した24頭(牡牝各12頭)が出陳した。

 品評会には、日本中央競馬会(JRA)、日本軽種馬協会(JBBA)、日高軽種馬農業協同組合(HBA)、新ひだか町が後援。(株)レックス、(株)ジェイエス、(株)優駿、(株)サラブレッド・ブリーダーズ・クラブ、ダーレー・ジャパン(株)ノミネーションオフィス、社台スタリオンステーション、みなみ北海道農業共済組合日高東部三石事業所といった軽種馬関連企業や団体が協賛している。

 天候に恵まれた当日は、振興会会員をはじめ、JRA、JBBA、HBA、北海道日高振興局、新ひだか町の職員、協賛企業、協賛団体、関連団体の関係者が参加。JAみついし本所に集合した一行は、2台の貸し切りバスやそれぞれの乗用車に分乗して出陳馬の飼養先を巡回した。

 審査員は高嶋民治JRA日高育成牧場場長、遊佐繁基JBBA静内種馬場場長の2名が担当。出陳馬の馬体や歩様、馴致、手入れ、管理状態、成長過程、展示方法、引き馬、人馬の信頼関係、環境整備などを細かくチェックした。

 厳正な審査の結果、サラブレッド牡の部の最優秀賞は、前田ファーム出陳のネヴァーフェイドの2018、サラブレッド牝の部の最優秀賞は、折手牧場出陳のリヴァプール2018が受賞。優秀賞、優良賞、ベストターンドアウト賞、団体賞も選定された。

 表彰式で主催者を代表してJAみついし酒井薫代表理事組合長は「63回という長い歴史を持つこの品評会が、無事開催できましたことは、ご多用のなかご参加いただきましたJRA日高育成牧場高嶋場長様、JBBAの遊佐場長様をはじめ、多くの皆様のご支援とご協力のたまものと感謝申し上げます。この春の競馬に目を向けますと、同じ新ひだか町生産馬のロジャーバローズが日本ダービー(G1)に優勝、2着にも日高産馬が入り、馬産地日高の底力をみせてくれました。また、三石産馬もメイショウテッコンの日経賞(G2)をはじめ、3つのG2、2つのG3に優勝しており、秋に向けてたのしみな馬が多くなっています。
 三石産馬はせり市場においても高い評価を受けております。家族経営主体の中小牧場が多い三石ではございますが、軽種馬振興会、軽種馬青年部の皆様の日頃の強い馬づくりの努力のたまものであり、当組合として改めて敬意を表します。消費税増税、東京オリンピックの反動といった不安要素もありますが、このような品評会の継続を力に、三石軽種馬生産振興会がますます発展することを願っています」とあいさつ。受賞者には三石家畜品評会、JRA、JBBA、HBA、振興会などから賞状や盾、カップ、記念品、景品、金一封といった賞品が贈呈された。

 審査員を務めた高嶋場長は「歴史ある品評会の審査員を務めさせていただき光栄に思います。本年3月に日高育成牧場の場長に就任しまして、今回初めて品評会に参加しました。今回の審査に当たっては、当牧場の優秀なスタッフの助言を受けながら、自分なりの評価をしました。朝からたくさんの牧場の馬を見て、大変充実した楽しい時間を過ごせました。せり市場前の忙しい時期の品評会は大変ご苦労されたと思いますが、皆様方の熱意と努力に対して、改めて敬意を表します。品評会では馬体だけでなく、手入れや引き馬などの管理育成技術も考慮して審査しましたが、以前から参加しているスタッフに聞きますと、年々レベルアップしているということです。大勢の人に慣れてない若馬にとって今日の出来事は、大変ストレスになったと思いますが、この経験がせり市場で活かされることを期待しています。
 魅力的な馬が多く、受賞馬の選定には苦労し悩む点が多かったのですが、今日の結果はあくまで現時点の私どもの視点での判断と受け止めてください。皆様の愛馬が今後のせり市場等で高い評価を得て、充実した競走馬人生を送ることを切に願っています。結びになりますが、本日の品評会がせり市場のさらなる活性化、日本競馬全体の振興と発展に寄与すること、皆様方と愛馬のますますの活躍をご祈念申し上げます」と講評した。

 牡の最優秀賞を受賞した前田宗将社長は「うちの従業員が寸暇を惜しまず頑張ってくれました。7月のセレクションセールに上場する馬なので、励みになります」。牝の最優秀賞を受賞した折手裕一さんは「この馬は今年のユニオンオーナーズクラブに提供することが決まっています。最優秀賞を受賞したということで、会員の皆様へは自信を持って提供できる馬だということを証明できたと思います。うれしいですね」と喜んだ。

 結果は下記の通り(敬称略)。

○サラブレッド牡の部
最優秀賞:ネヴァーフェイドの2018 生産者:前田ファーム
優秀賞:ライブリーダンス2018 生産者:平野牧場
優良賞:ベラルーナ2018 生産者:上村清志
優良賞:スカイトラベラー2018 生産者:木下牧場
ベストターンドアウト賞:
ライブリーダンス2018 生産者:平野牧場

○サラブレッド牝の部
最優秀賞:リヴァプール2018 生産者:折手牧場
優秀賞:ペパーミントラヴの30 生産者:前川勝春
優良賞:エキゾチックエレガンスの2018 生産者:土田農場
優良賞:ワンダービーナスの30 生産者:城地牧場
ベストターンドアウト賞:
リヴァプール2018 生産者:折手牧場

○団体の部
総合優勝:歌笛支部
第2位:本桐支部
第3位:富沢支部