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ノースヒルズでラニの初年度産駒が誕生

  • 2019年04月16日
  • ノースヒルズで生まれたラニの初年度産駒
    ノースヒルズで生まれたラニの初年度産駒
  • 父と同じ芦毛となる
    父と同じ芦毛となる
  • 母シェルエメールは芝短距離を得意とし、中央2勝
    母シェルエメールは芝短距離を得意とし、中央2勝
  • 生後約2週間、3月上旬の撮影
    生後約2週間、3月上旬の撮影
  • 毎年、種牡馬展示会でも高い注目を集めているラニ
    毎年、種牡馬展示会でも高い注目を集めているラニ

 新冠町のノースヒルズでラニの初年度産駒が誕生している。

 ラニはアメリカ産の6歳馬で、父がタピット、母がヘヴンリーロマンス。母は天皇賞馬で、半兄アウォーディー、半姉アムールブリエはともに重賞を勝ち、ダートで息長く活躍した。また、今年の桜花賞(G1)を制したグランアレグリアは、母の父がタピットでもある。

 ラニは日本調教馬として走り、日本、UAE、アメリカでレースを経験。武豊騎手とのコンビで3歳時、UAEダービー(G2)を快勝した後、ハードな日程で知られるアメリカ3冠レース全てに参戦し、最終戦ベルモントS(G1)では上位に迫る3着でゴール。遠く離れた日本の競馬ファンを熱狂させた。また、ダートを得意とする日本の3歳馬たちの未来に光を射す、先駆者にもなった。

 競走生活引退後は、新ひだか町のアロースタッドで種牡馬入り。海外遠征で発揮した強靭な心身や血統的魅力から、スタッドインから生産者、馬主より熱い視線を集めた。期待の高さを裏付けるように、初年度から118頭の交配を記録した。

 新冠町のノースヒルズでは、ラニの産駒が複数誕生予定で、2月19日に母シェルエメールの牝馬が誕生した。同牧場ゼネラルマネージャーの福田洋志氏は、「大きな子が生まれました。ラニの長所である大きな馬体を受け継いでいますね。脚がきれいで、体高のある馬になりそうです。」と、紹介。毛色はラニと同じ芦毛で、母馬に寄り添いながら元気に放牧地を駆けている。福田氏は、「今年と来年、牧場では5頭、ラニ産駒の出産と交配を予定しています。今後はラニの子で海外の大舞台を目指したいですね。」と、意気込んでいる。

 ラニ自身は、種牡馬として2シーズン目を迎えている。事務局のジェイエスでは、「体調は良く、元気にシーズンを過ごしています。日が経つにつれて、種付頭数が増えてきましたね。種付けは上手で、受胎率も良い馬です。初年度産駒は体がしっかりしていて、脚の長い馬が多いようですね。産駒の出来を見て、2年連続で種付けしている牧場もありますよ。」と、近況を伝えている。