4月8日、浦河町西舎にあるJRA日高育成牧場(高嶋民治場長)において、平成31年度育成馬展示会が行われた。

 この展示会は4月23日に中山競馬場で開催されるJRAブリーズアップセールに上場予定のJRA育成馬を紹介するもの。この日は日高育成牧場に繋養される育成馬58頭のうち、55頭の比較展示と51頭の騎乗供覧というスケジュールが組まれた。

 展示会開催に先立って高嶋場長は｢日高育成牧場では、昨年の1歳市場で購買した54頭、および当牧場で生産したJRAホームブレッドのうちの4頭、計58頭の調教を昨年の9月から開始し、今日に至るまで専門のスタッフが鍛え上げてまいりました。その調教の過程では、これまで同様、育成調教に関する技術開発や調査研究を継続的に実施しております。特に昨年から今年にかけましては、坂路調教後の乳酸値測定やトレッドミルを用いた強い負荷をかける調教など、行動生理学に関する調査研究に、精力的に取り組んでおる次第です。これらの調査研究によって得られるであろう成果は、広く皆様にご活用いただけるよう、取りまとめて報告させていただきたいと考えております。生産者の方におかれましては、たくましく成長した愛馬の姿を、じっくりとご覧いただけると思います。また、ブリーズアップセールへの参加を予定されている馬主様、および関係者の皆様におかれましては、今日の展示会が、愛馬との素晴らしい出会いの場となるよう期待いたしております。そして、本日お越しくださいましたすべての皆様、これから登場する育成馬が、ブリーズアップセールを経て、競走馬としてデビューし、競馬場で活躍する姿を、温かく見守っていただければ幸いです。なお、本日は、BTC軽種馬育成調教センターの研修生の皆さんに、スタッフとして参加していただいてます。昨年4月に、BTC育成調教技術者養成研修の第36期生として入講された皆さんは、育成馬とともに成長し、間もなく旅立ちの日を迎えます。本日は、これからの競馬産業を担う、若い皆さんの晴れ姿にも、ぜひ、ご注目いただければと思います｣と挨拶した。

 比較展示は5班、騎乗供覧は4班に分かれて実施。BTC育成調教技術者養成研修第36期生16人のうち7人が騎乗供覧に参加して、1年間の研修で身に付けた騎乗技術を披露した。

 日高育成牧場の育成馬は4月15日に中山競馬場へ向け出発。4月18日から21日にかけて事前下見ができる。4月19日には午前10時から公開調教を実施。4月22日には午後1時から前日展示会が行われる。4月23日は午前8時15分より馬主受付、午前9時より騎乗供覧開始、午後1時よりせり開始となる。

 昨年のブリーズアップセール出身馬からは、イッツクール、エイティーンガールなどを筆頭に、平成31年2月18日現在で、取引馬68頭中61頭がJRAで、そのうち60頭が2歳デビュー。2歳戦で12勝をあげた。

 今年の育成馬からは本格的にトレッドミルを導入し、乳酸値を図り、個体によって強い負荷をかける調教を実施。例年以上に仕上げたということから、昨年以上の活躍が期待されている。

 セールに関する情報は、JRA育成馬サイト(http://www.jra.go.jp/facilities/farm/training/)、JRA育成馬日誌(http://blog.jra.jp/ikusei/)、2019JRAブリーズアップセールサイト(https://www.jbis.or.jp/seri/2019/12O1/sale/)。

 4月23日のJRAブリーズアップセールの模様は、グリーンチャンネルで生中継される。