馬産地ニュース

日本軽種馬協会静内種馬場で2018年(第40期)生産育成技術者研修修了式

  • 2019年03月18日
  • 2018年(第40期)生産育成技術者研修修了式
    2018年(第40期)生産育成技術者研修修了式
  • 1年間の研修で習得した騎乗技術を披露した騎乗供覧
    1年間の研修で習得した騎乗技術を披露した騎乗供覧
  • 式辞を代読する益満宏行副会長理事
    式辞を代読する益満宏行副会長理事
  • 謝辞を述べる大竹由起子さん
    謝辞を述べる大竹由起子さん

 3月16日、新ひだか町静内田原にある日本軽種馬協会静内種馬場研修所講義室において、2018年(第40期)生産育成技術者研修修了式が行われた。

 この研修は競走馬の牧場で生産・育成関連の仕事に就業することを目的とし、強い馬づくりを担える技術者の養成を行うもので、第40期生は北海道、千葉県、神奈川県、静岡県、東京都、大阪府、兵庫県出身の19歳から23歳までの8人(男3人、女5人)。昨年4月の開講から1年間で、実技・学科・実習などの研修を重ねて、基礎技術や知識を身に付けてきた。8人は全員、日高や胆振にある軽種馬生産育成牧場への就業が決まっている。

 当日は最初に来賓や保護者、就労先の関係者、本部から駆けつけた益満宏行副会長理事、中西信吾静内種馬場場長など関係者が見守る中、屋内馬場において騎乗供覧。研修馬に騎乗した8人は、人馬一体となって1年間の研修で習得した騎乗技術を披露した。

 研修所講義室において行われた修了式では、中西場長が8人に修了証書と記念碑を贈呈。益満副会長理事は「本日、公益社団法人日本軽種馬協会第40期生軽種馬生産育成技術者研修の修了式を挙行するにあたり、ひとことごあいさつ申し上げます。はじめに、昨年9月に発生し、馬産地にも甚大な被害をもたらした、北海道胆振東部地震により被災された皆様に、心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地の一日も早い復興をお祈り申し上げます。さて、昨年から1年間、厳しい訓練を耐え抜き、本日晴れて研修を修了される研修生の皆様には、心からお祝いを申し上げます。また、ご列席のご来賓、ご家族の皆様には、ご多用中にもかかわらず、ご臨席を賜り、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。

 さて、一時期、苦しい状況におかれていた競馬産業も、ここ数年、競馬開催の売り上げが連年で前年を上回り、再び盛り上がりを見せておりますが、いつの時代においても、競馬を盛り立てていくためには、多くのファンを引き付けるような、強い競走馬を生産育成し、競走の魅力を向上させることが、最重要課題のひとつとなっており、そのためには、生産育成の分野における、専門的な訓練を受けられた、皆様のような技術者の力が不可欠でございます。 本協会では、生産育成界の期待に応えうる、技術者を養成するため、平成2年より本研修を実施してまいりましたが、その修了者は皆様を含め、今年で444名となりました。本研修修了者に対する、業界内の評価は非常に高く、今回巣立たれる皆様を含め、修了生の就職率は100%を記録しております。また、定着率も約8割と高い水準にあり、競馬サークルに少なからぬ貢献をいたしております。本研修が競馬サークル内でこのように高い評価を得られるようになった背景には、皆様の先輩方の尽力があったことはいうまでもありません。皆様もプロとしてこの道を選択されたからには、自分を厳しく律して精進され、生産育成界の担い手となってください。わたくしどもは、皆様がここで学ばれた知識や技術を余すところなく実践の場で発揮されることを心から願っています。

 結びに、本日ご臨席を賜りましたご来賓、ご家族の皆様に再度、衷心より御礼を申し上げます。また、修了生の受け入れ関係者の皆様におかれましては、これら意欲に満ちた青年たちに対し、温かいご指導とご鞭撻を賜りますようお願い申し上げまして、はなはだ簡単ではございますが、ご挨拶とさせていただきます」と河野洋平会長理事の式辞を代読した。

 来賓からは斉藤譲二北海道日高振興局副局長、高嶋民治日本中央競馬会日高育成牧場場長、木村貢日高軽種馬農業協同組合代表理事組合長らが祝辞。最後は8人を代表して大竹由起子さんが「本日はお忙しい中、第40期生産育成技術者研修修了式にお越しいただき、ありがとうございました。修了生を代表いたしましてお礼を述べさせていただきます。昨年の春から始まりました本研修ですが、はじめは慣れないことの連続で、戸惑い、何度も失敗を繰り返しました。それでも毎日馬と触れ合う中で、馬が私たちに足りないものを時間をかけて教えてくれ、成長することができました。JRA日高育成牧場で、1年間を通して繁殖牝馬や子馬の管理について、貴重なことを見学・体験させていただきながら、知識を広げていきました。育成牧場実習では、プロとして現場で働く方々を目の当たりにし、仕事に対する意識の違いや作業の早さに圧倒されましたが、そのとき感じたことが、その後の研修への取り組み方を真剣に考えさせる重要なものになりました。また、種馬場実習では、馬の扱いになれない私たちに、貴重な種牡馬を用いながら、熱心に指導してくださり、ご自身の経験を踏まえた中で、様々なアドバイスをしてくださって、ホースマンとしての在り方を教えていただきました。最後に、こうして楽しく充実した研修生活を送ることができたのは、毎日おいしい食事を用意して、笑顔で待っていてくれた竹中寮監と相原さんはもちろん、馬について何も知らなかった私たちを真剣に、時には見守るように優しく指導し、一から育て上げてくれた、山口先生、藤田先生、佐藤先生のおかげです。そして、ここに送り出し、どんな時も変わらず応援してくれた両親に、感謝の気持ちでいっぱいです。これまで私たちに関わってくださった、すべての人と馬たちとの出会いに感謝しながら、一流のホースマンを目指して研修生一同、努力してまいります」と謝辞した。