馬産地ニュース

ビッグレッドファームで種牡馬展示会が開催される

  • 2019年02月13日
  • BRFの種牡馬展示会の先陣を切ったのはジョーカプチーノ
    BRFの種牡馬展示会の先陣を切ったのはジョーカプチーノ
  • オールマイティな産駒成績を残しているロージズインメイ
    オールマイティな産駒成績を残しているロージズインメイ
  • ダノンシャンティはフジキセキ後継種牡馬でも、屈指のスピード能力を産駒にも伝えている
    ダノンシャンティはフジキセキ後継種牡馬でも、屈指のスピード能力を産駒にも伝えている
  • 今や孫の代までサイアーラインを伸ばしたグラスワンダー
    今や孫の代までサイアーラインを伸ばしたグラスワンダー
  • 今年は、キャリアハイとなる種付頭数も見込まれるダノンバラード
    今年は、キャリアハイとなる種付頭数も見込まれるダノンバラード
  • 産駒のケイティブレイブが、ダート重賞戦線を沸かせているアドマイヤマックス
    産駒のケイティブレイブが、ダート重賞戦線を沸かせているアドマイヤマックス
  • 芝、ダートで「二刀流」の活躍を見せたアグネスデジタル
    芝、ダートで「二刀流」の活躍を見せたアグネスデジタル
  • 種牡馬展示会の最後に姿を見せたのは、すっかり毛色が白くなったゴールドシップ
    種牡馬展示会の最後に姿を見せたのは、すっかり毛色が白くなったゴールドシップ

 2月12日、新冠町・ビッグレッドファームで種牡馬展示会が開催された。

 今年の種牡馬展示会としては、2月6日の安平町・社台スタリオンステーションに続いて2会場目、日高地区の展示会では最初の開催となったビッグレッドファーム。朝早くからのスタッフ総出での誘導、そして、受付場所などにおける気持ちのいい挨拶は、社員教育のたまものとも言えよう。

 展示会の前には、サラブレッドクラブ・ラフィアンの代表を務める岡田紘和氏から、この後に行われるゴールドシップ産駒の公開調教の紹介があった。また、公開調教に臨む4頭のゴールドシップ産駒から、マイネルコロンブス(牡、母トウホクビジン)と、スペースシップ(牡、母ジャズプリンセス)の2頭の展示も行われ、鍛え込まれた馬体を生産者の前で披露していた。

 種牡馬展示会は午前9時半からスタート。この展示会の進行を務める蛯名聡マネージャーからまず紹介されたのは、ビッグレッドファームで繋養される2頭の芦毛馬のうちの1頭であるジョーカプチーノ。16頭しかいない初年度産駒からジョーストリクトリがNzT(G2)を優勝。マイネルバールマンも芝、ダート双方のオープンレースを制する活躍を見せた。2017年には103頭の繁殖牝馬に配合を行っており、その世代が現1歳となっている。

 そのジョーカプチーノの次に登場してきたのは、晩年になってからの最高傑作と言えるケイティブレイブが、ダート重賞戦線で活躍を見せるアドマイヤマックス。そして、産駒のスクリーンヒーローからモーリスに続き、今年、ゴールドアクターも種牡馬入りを果たすなど、サイアーラインを伸ばしつつあるグラスワンダーが、今年で24歳とは思えない程の若々しい姿を見せる。

 今年で22歳となるアグネスデジタルだが、最近は母の父としても注目を集めている。芝、ダートどころか、距離も問わない産駒成績を残しているロージズインメイに続いて登場したのはダノンシャンティ。初年度産駒のスマートオーディンが2歳時と3歳時で芝の中距離重賞で3勝をあげる活躍を見せた一方で、同じ年に誕生したサイタスリーレッドは、テレ玉杯オーバルスプリント(Jpn3)を制するなど、ダートの短距離重賞で息の長い活躍を見せている。現2歳世代は109頭の繁殖牝馬に配合を行っており、今年は大攻勢を見せてくれそうだ。

 この種牡馬展示会で20歳を超えるような大先輩を差し置いて、7頭目に展示されたのが、新入厩馬となるダノンバラードだった。

 ダノンバラードは、父ディープインパクト、母レディバラード(母父Unbridled)の11歳馬。牝系をさかのぼると名牝Balladeの名前も見つかる。現役時にはAJCC(G2)とラジオNIKKEI杯2歳S(G3)を優勝など、26戦5勝の成績を残している。2015年に種牡馬入り後、2016年8月からはイタリアへ輸出され、2018年からはイギリスで種牡馬生活を送っていた。

 昨年デビューを迎えた初年度産駒は、2歳戦の早い時期から芝、ダートを問わない活躍を続け、ナイママがコスモス賞を勝利し、札幌2歳S(G3)でも2着。ウィンターフェルも北海道2歳優駿(Jpn3)優勝を果たしている(後に誤審と発表され、到達順位は2着となる)。

 こうした産駒の活躍に注目したビッグレッドファームが、再輸入へのオファーをかけると、昨年の7月27日にスタッドイン。日本では3年ぶりの繋養となった。蛯名マネージャーからも、「初年度産駒たちは重賞を沸かすような活躍も見せていますし、今年から配合頭数が増えることを考えると、将来が非常に楽しみです」とのアナウンスもされた。今年の種牡馬展示会の最後に登場したのは、今年、初年度産駒を送り出すゴールドシップ。すっかり白くなった馬体は、年齢以上に落ち着いた印象も与えるが、それでもふとした瞬間に敏捷な動きを見せるなど、現役時と変わらないやんちゃさをのぞかせていた。

 しかしながら、ハンドラーの指示に従って、しっかりとポーズを決める辺りはさすがスターホースたる所以だろう。今年、デビューを迎える初年度産駒は、生産だけで無く、育成にも力を入れているビッグレッドファームのバックアップも望めるだけに、2歳戦から圧倒的なパフォーマンスも期待できそうだ。

 全8頭の展示ながら、それ以上のボリュームを感じさせたビッグレッドファームの種牡馬展示会。その後で行われたゴールドシップ産駒の公開調教にも、多くの生産関係者が足を運んでいた。