馬産地ニュース

冬季繁殖馬セールが開催される

  • 2019年01月25日
  • あいさつする服部社長
    あいさつする服部社長
  • セール前には熱心に上場馬を吟味する購買者の姿が見られた
    セール前には熱心に上場馬を吟味する購買者の姿が見られた
  • 最高価格を記録したチークトゥチーク
    最高価格を記録したチークトゥチーク
  • 受胎牝馬の最高はキナウ
    受胎牝馬の最高はキナウ
  • 未供用馬エルパンドールも高い評価を受けた
    未供用馬エルパンドールも高い評価を受けた

 株式会社ジェイエス(服部健太郎社長)主催による繁殖馬セール・冬季が1月23日(水)、新ひだか町の北海道市場において開催された。すっかり定着した種付シーズン直前の繁殖馬セール。昨年よりも上場頭数は若干減少傾向だったものの会場は良質馬を求める多くの購買者で会場はにぎわった。

 今回の上場頭数は36頭、売却頭数は26頭で売却率は72.22%。総額で79,228,800円(税込)を売り上げた。

 セール前には同社の服部社長から同セール取引馬から生まれたアンジュデジール(JBCレディスクラシック(Jpn1))、デルマルーヴル(兵庫ジュニアGP(Jpn2))、オメガパフューム(東京大賞典(G1))、ヴァルディゼール(シンザン記念(G3))などの活躍馬が紹介され「この中にも必ず、購買者のみなさんの期待に応えられる馬がいると思います」とあいさつ。積極的な購買を呼びかけた。

 結果、最高価格は空胎の5歳馬チークトゥチークの22,680,000円で、新ひだか町の(有)ホースバンクが落札した。同馬は父クロフネ、母ムードインディゴ(母の父ダンスインザダーク)。半弟に菊花賞(G1)3着ユーキャンスマイルや半兄にきさらぎ賞(G3)4着ノガロがいる血統で、自身も2戦目に勝ちあがっている。ブルードメアサイアーとしてのクロフネはノームコア(紫苑S(G3))やメドウラーク(七夕賞(G3))カワキタエンカ(中山牝馬S(G3))などの成績上昇中だ。

 一方、受胎牝馬では新種牡馬ドレフォンを受胎していたキナウ(8歳、父キングカメハメハ)がイマジネックス(株)によって7,560,000円で落札されている。祖母フランクアーギュメントは米G1競走の2着馬で母リンガフランカはカームの全妹という血統だ。

 また、競走登録を抹消されたばかりの、いわゆる「あがり馬」ではエルパンドール(6歳、父ネオユニヴァース)が11,880,000円で浦河町の(有)杵臼牧場によって落札されている。半妹アイアンテーラーがクイーン賞(Jpn3)の勝馬で従兄弟にはルヴァンスレーヴ(最優秀ダート馬)、チュウワウィザード(名古屋グランプリ(Jpn2)、東海S(G2)2着)がいる“旬”のファミリー。激しいせりあいが展開された。

 セール終了後、服部社長は「冬のセールは、防疫と上場頭数の確保が最大のテーマです。昨年よりも高い売却率を記録できたことは、販売申込者、購買者に満足いただけたということだと思う。今後も良質馬の確保しながら市場を盛り上げて行きたい」と、充実のセールを振り返った。