馬産地ニュース

静内軽種馬生産振興会が功労馬慰霊祭

  • 2018年09月18日
  • 静内軽種馬生産振興会の功労馬慰霊祭
    静内軽種馬生産振興会の功労馬慰霊祭
  • 北海道胆振東部地震の犠牲者に黙とうをささげた
    北海道胆振東部地震の犠牲者に黙とうをささげた
  • 今年3月に亡くなったサウスヴィグラスの墓碑
    今年3月に亡くなったサウスヴィグラスの墓碑
  • 増設された功労繁殖牝馬之碑
    増設された功労繁殖牝馬之碑
  • 主催者を代表してあいさつする田中裕之会長
    主催者を代表してあいさつする田中裕之会長

 9月15日、静内の生産者で組織する静内軽種馬生産振興会(田中裕之会長)は、新ひだか町静内田原にある桜舞馬公園において、功労馬慰霊祭を開催した。

 この慰霊祭は、桜舞馬公園に数多くの功労馬の墓碑が建立されており、功労繁殖雌馬之碑には多くの名牝の名が刻まれていることに加え、馬産地の中心でもある町内の各牧場にも永眠している多くの功労馬がいることから毎年9月に行われている。

 競走馬生産者団体が中心となり、種牡馬シンジケートや町の協力を得て、1990年12月に開設された桜舞馬公園には今年、2003年のJBCスプリント(G1)をはじめ8つのダートグレード競走など現役時代、33戦16勝の成績を収め、種牡馬としては何度も地方総合チャンピオンサイアーに輝き、3月4日に22歳で死亡したサウスヴィグラスの墓碑を新たに建立。
 功労繁殖牝馬之碑も新たに一基新設し、1999年カブトヤマ記念(G3)優勝馬テイエムトッキューの母ソシアルメーカー、2014年京都記念(G2)優勝馬デスペラードの母マイネノエル、1975年菊花賞馬コクサイプリンスの母シャロナ、1988年京都記念(G2)優勝馬カシマウイングの母ラバテラ、1987年ラジオたんぱ3歳牝馬S(G3)優勝馬プリンセススキーの母ギフトプリンセス、1992年ウインターS(G3)優勝馬チェリーコウマンの母チェリーガール、2000年フェブラリーS(G1)優勝馬ウイングアローの母サンヨウアロー、2004年福島記念(G3)優勝馬セフティーエンペラの母マチカネポッペア、2000年兵庫ジュニアグランプリ(G3)優勝馬コスモリアライズの母ミスティックサミー、2014年京阪杯(G3)優勝馬アンバルブライベンの母チェリーコウマン、2012年、2013年福島牝馬S(G3)連覇オールザットジャズの母ダイヤモンドピサ、2017年ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)優勝馬マイティティーの母チアズガディス、2017年桜花賞(G1)優勝馬レーヌミノルの母ダイワエンジェルと13頭の刻銘を行った。現在、公園には功労種牡馬の墓碑が33基35頭、功労繁殖牝馬の墓碑は5基5頭、功労種牡馬之碑の刻印は22頭、功労繁殖牝馬之碑の刻印は61頭となる。

 当日は田中会長や谷岡康成副会長、片岡拓章副会長などの振興会会員、大野克之新ひだか町長、福嶋尚人新ひだか町議会議長、西村和夫静内農業協同組合代表理事組合長、藤原俊哉日高軽種馬農業協同組合副組合長理事、サウスヴィグラスパートナーシップ事務局(有)ホースバンク三浦秀樹代表、松木優アロースタッド場長など約50人が参列。慰霊祭前には9月6日未明に発生した北海道胆振東部地震の犠牲者の冥福を祈り黙とうした。

 慰霊祭は静内神社の山田一孝宮司の神事により天寿を全うした功労馬を供養。田中会長は「本日はお忙しいなか、平成30年度功労馬慰霊祭にご出席いただき誠にありがとうございます。また、過分なるお供えの品々をいただき、重ねて御礼申し上げます。さて、9月6日未明に起きました胆振東部地震は震度7という、今までに我々が経験したことのない揺れ方でした。死者41名、現在でも1,400人を超える方々が避難生活を余儀なくされてます。とくに厚真地区はたんとう米でもよく知られた地域で、亡くなられた農家や家族の方の無念は計り知れないものとおもいます。同じ農家であり山林に囲まれた地域に住む者として大きな恐怖を感じております。亡くなられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げます。
 我々はこの悲しみを乗り越え、そして後に続く人たちにバトンを渡す意味においても、サラブレッドの世界も同様に世代の交代が続いていきます。今回、この慰霊祭に向けて、繁殖牝馬の墓石を一基増設しました。そして13頭の刻銘をしました。種牡馬の墓碑につきましはダートの王者サウスヴィグラス号を建設しました。我々は長年牝馬の市場価値を上げたいと願っていましたが、このサウスヴィグラス号はその役目を果たしてくれた一頭と思っております。次の世代の母の父としての活躍が期待されます。サウスヴィグラス号と13頭の功労繁殖牝馬たちへ、長い間本当にご苦労様でした。ご冥福をお祈りします。我々は今、こうしてサラブレッド生産が可能なのは、皆様方の協力と礎となる種牡馬や繁殖牝馬がいたからだとおもいます。どうか、この地で安らかに眠る天界からまた産駒たちの活躍を応援してほしいとおもいます」とあいさつした。