馬産地ニュース

強い馬づくりのための生産育成技術講座開催

  • 2017年11月15日
  • 日高町で開かれた強い馬づくりのための生産育成技術講座2017
    日高町で開かれた強い馬づくりのための生産育成技術講座2017
  • 講師を務めたJRA日高育成牧場生産育成研究室の村瀬晴崇氏
    講師を務めたJRA日高育成牧場生産育成研究室の村瀬晴崇氏
  • フロアーからの質問に答えるJRA日高育成牧場専門役の竹田和正氏
    フロアーからの質問に答えるJRA日高育成牧場専門役の竹田和正氏

 11月14日夜、日高町富川東にある門別総合町民センター2階大集会室において、強い馬づくりのための生産育成技術講座2017が開催された。

 この講習会は、JRA日高育成牧場と日高軽種馬生産振興会青年部連合会が主催し、日高軽種馬農業協同組合が後援。競走馬の生産育成に携わる関係者への情報提供と技術普及を目的に、日高東部と西部の2カ所で毎年秋に開かれている。この日は夜遅くにもかかわらず、仕事を終えた生産育成牧場関係者や獣医師、装蹄師など200人以上が出席した。

 講習会の開会にあたり、主催者を代表してJRA日高育成牧場の平賀敦場長は「馬は機械ではないので、すぐに成果がでるわけではありません。やはり、きちんと正しいことをやるのが大事です。まじめに正しいことをする人たち、厩舎、牧場は成績が上がります。いろいろな本を読んで自分で勉強することはなかなか難しいですが、同じことでも先生や仲間と話すことで理解できることもあります。今日こうやって皆様で集まったことで効果が期待できます。願わくば質問ではなくて自分の意見などもお聞かせいただければ、講師や専門家からもアドバイスが送られると思います。短い時間ですが、一つ、二つ、三つと、知っていることを再確認する意味でもしっかり勉強して帰ってほしいと思います」。講習会を進行した門別軽種馬生産振興会青年部の前野慎一部長は「ぜひこの機会に活発なご質問、ご意見を頂ければ幸いです。本日はよろしくお願いいたします」とあいさつした。

 講習会ではJRA日高育成牧場生産育成研究室の村瀬晴崇氏が「子馬の運動と休息行動」について、同じくJRA日高育成牧場専門役の竹田和正氏が「装蹄師から見た馬の蹄管理~育成馬から繁殖牝馬まで~」をテーマに講演した。

 村瀬氏は放牧地の行動を理解することが強い馬づくりのひとつとし、GPSによる運動量の評価、成長に伴う休息時間の推移、1回あたりの休息時間、休息する時間帯などを説明。竹田氏は蹄の名称・構造・特徴、健康な蹄、育成馬・繁殖牝馬・子馬の削蹄、蹄病などについて話し、馬管理者と装蹄師、獣医師の三者が連携することが強い馬づくりへつながるとまとめた。

 フロアーからは「冬季の飼養管理でルーサン散布でどれくらい運動が増えるのか」、「離乳馬が馬房で休む時間が減った理由には何かあるのでしょうか」、「離乳後に牡と牝で行動に違いがあったのか」、「肢軸異常は生後何日目から治療していますか」、「各ステージごとの装蹄のタイミングはどうなっていますか」といった質問が寄せられた。

 この講習会は11月21日は浦河町大通3丁目にある浦河町総合文化会館でも午後6時から開催される。