馬産地ニュース

一気の末脚爆発でレオニダスが道営記念制覇

  • 2013年11月18日
  • 後方から一気に伸びたレオニダス
    後方から一気に伸びたレオニダス
  • 最後の直線の攻防
    最後の直線の攻防
  • 500kgを超す立派な馬体
    500kgを超す立派な馬体
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • 優勝馬関係者の皆さん
    優勝馬関係者の皆さん

 11月14日、門別競馬場では今季のホッカイドウ競馬の締めくくりを飾る、第56回道営記念(H1)[アドマイヤムーン賞]が行われた。、距離はダ2,000m。

 毎年、このレースの時期は冬のような寒さが襲うが、今年は好天に恵まれ、風もなく、外での観戦も快適な一日となった。直前にシャアが取り消して、出走馬は15頭。1番人気は前哨戦の瑞穂賞(H2)を制したバルーン(ファン投票16位)で、鞍上には今年のJBC開催地・金沢のトップジョッキーである吉原寛人騎手を迎えた。2番人気は一昨年の覇者ショウリダバンザイ(ファン投票4位)で、こちらは水沢遠征の疲れをとっての実戦。唯一の3歳馬レオニダス(ファン投票6位)が重賞未勝利ながら3番人気に浮上し、昨年のホッカイドウ競馬2冠馬ニシノファイター(ファン投票20位)が4番人気続いた。人気上位4頭のオッズは差がなく、卍巴の様相を呈した。ホッカイドウ競馬のフィナーレを飾る一戦にふさわしく、パドックは大勢の競馬ファン、出走馬関係者で埋まった。

 北海道静内高等学校吹奏楽部のファンファーレにより、レース開始の合図が響いた。ケイアイライジンがハナを切り、休み明けのヒシコモンズが2番手。人気のニシノファイター、バルーンは好位からレースを進める。中団からショウリダバンザイ、ファン投票1位のデルマジュロウジン、スタートで後手を踏んだレオニダスは離れた最後方から反撃を狙う。3、4コーナーに差しかかるとバルーンが満を持して先頭に立ち、それを目がけてショウリダバンザイも進出。更に後ろからレオニダスが大外からマクリ気味に順位を上げ、数頭がかたまって直線へ。

 まずバルーンが抜け出して一旦はリードを奪うも、残り200mからは外目を通ってショウリダバンザイ、レオニダスが馬体を併せて伸び、最後は3頭の争い。全力を尽くし切ってのフィニッシュは、メンバー中最も若いレオニダスが1着でゴール。ステイゴールド産駒ながら500kgを超す馬体を躍動させ、スタートでの大きなビハインドも何のその、後方から大外まくりの競馬で突き抜けた。林和弘厩舎のショウリダバンザイ、バルーンが2着、3着を占め、人気薄のコスモアジル、シャイニーダンディが掲示板に食い込んだ。勝ち時計は2分8秒1(やや重馬場)。強い馬が集まったレースの中でも、強いと目された馬がその通りのレースを見せ、3・2・1番人気による堅い決着となった。

 コンビを組んだ服部茂史騎手はレース後のインタビューで、「近走、惜しいレースが続いていたので、優勝することができて本当に良かったです。スタート直後にアクシデントがありましたが、うまく立て直してくれて、レオニダスのレースができました。最後にビッグタイトルを獲ってくれて最高なプレゼントになったと思います。今シーズンもご声援を頂き、ありがとうございました。」と、感想を語った。服部騎手は昨年のモエレビクトリーに続き、同レース連覇。また、管理する田中淳司厩舎は今月、ハッピースプリントで北海道2歳優駿(Jpn3)、クライリングでローレル賞(S3)を制しており、破竹の勢いで重賞勝利を積み上げている。

 レオニダスの生産は安平町の追分ファーム。同牧場繁殖主任の渡部健二さんは、「優勝できて良かったです。牧場時代からステイゴールド産駒らしい気性・特徴の馬で、厩舎の皆さんもそれをよく理解して、素晴らしい仕上げでした。今後の活躍にも期待しています。」と、喜びを語っていた。口取りには大勢の関係者が集まり、大仕事をやってのけた人馬を称えていた。