馬産地ニュース

白毛馬ハクホウリリーが白毛牝馬を出産

  • 2013年04月15日
  • 父ディープスカイ、母ハクホウリリーの当歳牝馬
    父ディープスカイ、母ハクホウリリーの当歳牝馬
  • 母仔ともに健康
    母仔ともに健康
  • 生後10日が経過し、元気いっぱいに駆けている
    生後10日が経過し、元気いっぱいに駆けている
  • 子育てに励むハクホウリリー
    子育てに励むハクホウリリー
  • 今年は種付けをせず、空胎とする
    今年は種付けをせず、空胎とする

 昨年、繁殖入りした白毛馬ハクホウリリーが4月3日、初仔となる白毛馬を出産した。ハクタイユー(母の父の父)、ハクホウクン(母の父)、ハクホウリリー(母)と続く4代目の白毛馬誕生で、北海道の報道各社が連日取材に訪れている。

 ハクホウリリーは父ハクホウクン、母フラッシュリリーという血統の5歳牝馬。日高町・山本通則さんの生産馬で、(株)ヤナギスポーツが所有し、馬名はファンからの一般公募で決まった。北海道・齊藤正弘厩舎所属馬として3歳春にデビューし、2戦0勝の成績で引退した。

 千葉県の乗馬クラブで第2の馬生を送っていたが、新たに東京都の水野克己氏が馬主となり、新冠・タニグチ牧場で繁殖生活を開始した。昨春ディープスカイと交配し、スムーズに受胎。出産まで同牧場のG1馬テイエムプリキュアらと過ごしながら、順調にお腹を膨らませていった。予定日から10日遅れのタイミングで破水し、無事に白毛の牝馬を生んだ。近年、白毛馬は増加しているが、国内累計生産頭数は30頭に満たず、当歳馬の白毛となれば年間0~3頭レベル。馬産地で働く人ですら、白毛の当歳馬を目撃する機会は少ない。

 助産をした同牧場の谷口貞保社長は、初めての白毛馬生産に笑顔を覗かせる。「立派な白毛の仔馬が生まれました。母馬は初産ということもあり、最初は仔馬に乳を与えるのに苦労しましたが、今は全く問題ないです。しっかり母馬の役割を果たしています。仔馬は初仔にしては大きく、誕生後はすんなり立ち上がりました。父に似て脚長ですね。」と、紹介する。母仔ともに健康状態は良好。生まれながらに白く満ちた容姿は神秘的で、桃色がかった目元と鼻づらは可愛らしい。放牧地で軽やかに跳ねる様子は、元気にあふれている。今後は広い放牧地で仔馬の成長を促し、オーナーの意向で母と同じくホッカイドウ競馬デビューを目指す。

 「無事に牧場から送り出して、将来はホッカイドウ競馬を盛り上げる馬になって欲しいですね。」と、谷口社長は期待を込めている。母自身は満足な競走成績を残せなかったが、父は日本ダービー馬。頭部に生える若干の栗色の毛は、父の遺伝子を彷彿とさせる。2年後、大勢のファンの注目を浴びながら、門別競馬場パドックを闊歩する日を心待ちにしたい。