ロイヤルタッチがローリングエッグスクラブステーブルに移動
4月8日、新ひだか町静内のアロースタッドで種牡馬生活を送っていたロイヤルタッチ(20歳)が、功労馬として余生を送るため、新ひだか町静内の功労馬施設「ローリングエッグスクラブステーブル」に移動した。
ロイヤルタッチは父サンデーサイレンス、母パワフルレディ、母の父マルゼンスキーという静内・藤原牧場生産馬。サンデーサイレンスの2年目産駒で、3歳上の半兄には1993年のダービー(G1)を制したウイニングチケットがいる。
ダービー馬の半弟という血統から、デビュー前から注目度が高かったロイヤルタッチは、1995年12月の新馬戦を快勝。2戦目のラジオたんぱ杯3歳S(G3)でイシノサンデーらを退け、重賞初制覇を成し遂げた。続くきさらぎ賞(G3)ではダンスインザダークとのたたき合いを首差制して3連勝を達成。一躍クラシック候補に名乗りを上げた。3冠路線は皐月賞(G1)がイシノサンデーの2着、ダービー(G1)がフサイチコンコルドの4着、菊花賞(G1)がダンスインザダークの2着に惜敗。クラシックに手が届かなかったが、世代トップクラスの実力を示した。
1999年にアロースタッドで種牡馬入り。2007年のクイーンS(Jpn3)を制したほか、2006年のアメリカンオークス(G1)2着、秋華賞(G1)2着、オークス(G1)3着、2007年のヴィクトリアマイル(Jpn1)2着とG1/Jpn1戦線で活躍したアサヒライジングや、2011年のダイオライト記念(Jpn2)2着のカキツバタロイヤル、2003年の兵庫ジュニアグランプリ(G3)3着のフィールドルーキーなどを送り出した。
しかし、ピークの2001年には144頭を記録した種付頭数もここ数年は一桁に低迷。さらに今年で20歳になる年齢などが考慮され種牡馬引退が決定した。
ロイヤルタッチの新生活の始まりには北海道のTV局やローリングエッグスクラブステーブル関係者、熱烈なファンらが出迎え。馬運車から降りて小さなパドックに放されると、周囲の環境を確かめるように一望した。
馬運車を自ら運転して新天地に送り届けたアロースタッドの本間一幸主任は「種牡馬としては決して大きくない馬体でしたが、長い間がんばってくれました。アサヒライジングの母親が種付けに来た当時のことは、大きな繁殖牝馬だったのでよく覚えています。とても多くのファンに愛されていました。できるだけ長生きしてほしいですね」と愛馬との別れを惜しんでいた。