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ヴィクトワールピサが社台スタリオンステーションにスタッドイン

  • 2012年01月20日
  • 社台スタリオンスレーションに到着したヴィクトワールピサ
    社台スタリオンスレーションに到着したヴィクトワールピサ
  • お色直しをして報道陣の前に登場
    お色直しをして報道陣の前に登場
  • 馬体重540キロ、体高172センチという雄大な馬体を披露
    馬体重540キロ、体高172センチという雄大な馬体を披露
  • これから始まる種牡馬生活に目を輝かせた
    これから始まる種牡馬生活に目を輝かせた

 1月19日午前11時、昨年のドバイワールドC(G1)を日本産馬として初めて制したヴィクトワールピサ(牡5歳)が、安平町の社台スタリオンステーションに到着した。今春から種牡馬として新たな生活を始める。

 ヴィクトワールピサは、同期にエイシンフラッシュ、ローズキングダム、ヒルノダムール、エイシンアポロン、ペルーサ、ルーラーシップ、トゥザグローリー、ダークシャドウなどの重賞勝ち馬がいる最強世代の1頭。父ネオユニヴァース、母ホワイトウォーターアフェア、母の父マキアヴェリアンという血統で、半兄にはアサクサデンエン(安田記念(G1))、スウィフトカレント(小倉記念(G3))がいる。

 競走成績は15戦8勝。2009年10月の新馬戦はローズキングダムの2着に敗れたが、2戦目に勝ちあがると京都2歳S、ラジオNIKKEI杯2歳S(Jpn3)、弥生賞(G2)、皐月賞(G1)と5連勝を記録し、父仔2代で皐月賞馬となった。3歳秋にはフランスに遠征し凱旋門賞(G1)に挑戦(7着)。帰国2戦目の有馬記念(G1)ではブエナビスタの追撃をハナ差退け優勝し、2010年JRA最優秀3歳牡馬に選出された。

 昨年は中山記念(G2)快勝後にドバイへ遠征。ドバイワールドC(G1)では、最後方追走から向う正面で先団に取り付くと、逃げたトランセンドを1/2馬身差制して優勝。日本産馬として初めて世界最高賞金を誇るレースを制覇する歴史的快挙を成し遂げた。この優勝は日本競馬関係者、競馬ファンのみならず、東日本大震災後の日本に勇気を与えた。

 1月15日に京都競馬場で引退式を行なったヴィクトワールピサは、同日付で競走馬登録を抹消。社台スタリオンステーションには、宮城県の山元トレーニングセンターを経由し移動してきた。

 ドバイワールドC(G1)優勝馬の到着にはスタリオン関係者や報道陣が出迎え。この日たまたま種牡馬の視察に訪れていた静内・新冠の軽種馬青年部員たちも見届けた。

 到着時の馬体重は540キロ。周囲を取り囲む報道陣や青年部員の前でも堂々とした態度で応じ、大物振りを見せつけた。青年部員たちは「身体の大きい馬ですね。顔つきも良いし馬体も素晴らしい」と感心しきり。「お金があれば何頭でも種付けしたい(笑)」と、その雄姿を目に焼き付けていた。

 G13勝馬の種牡馬入りには総額12億円のシンジケートが結成。種付料は350万円となっている。事務局によると、すでに多くの問い合わせや申し込みが来ているという。

 到着を見守った徳武英介さんは「ドバイワールドカップや凱旋門賞、ブリーダーズカップ制覇は日本の競馬関係者の夢ですが、その夢を社台グループの馬で実現できたことは感慨深いですね。ネオユニヴァースの後継というよりも、これからのサンデーサイレンス系を背負う1頭として期待しています。スピードはもちろん、海外の馬と戦えるパワー、遠征して勝つという強いハートの持ち主。バランスの良い馬体で顔もキリッとしていますね。体調も良さそうですので種牡馬としても良いスタートを切れると思います。先ほど見ていただいた青年部員の方々にも受けが良かったので安心しました。種付料も今のご時世を考慮した金額に設定しましたので、皆様に活用していただきたいです」と賛辞を送っていた。