馬産地ニュース

ケイキロクが死亡

  • 2011年05月28日

 現存が確認されているクラシック勝馬の最高齢馬ケイキロクが5月24日、けい養先の北海道日高町の外舘孝一氏の牧場で老衰のために死亡した。34歳1か月だった。

 ケイキロクは父ラディガ、母ケイスパーコ(母の父キノー)という血統で、千葉の東牧場の生産馬だ。10番人気の低評価ながらも、1980年のオークスを5馬身差で圧勝している。

 「よく覚えていますよ。あのときはケイシャープ(父ラディガ)という馬と2頭出しでした。ケイシャープの方が人気だったんですが、競馬はわからないものですね」と当時を懐かしんだのは生産者の出羽龍雄さんだ。「まずは、大切にしてくださった下河辺牧場さん、そして外舘さんに感謝したいです。34歳になるまではたいへんな苦労もあったと思いますが、馬にかわってお礼を申し上げます」と感謝の気持ちを表現した。

 そして「母のケイスパーコも当牧場の生産馬で、オークスにも出走した馬でした。そのときはシンガリ負けでしたが、4歳になってCBC賞を勝ってくれました。ケイキロクは、その初仔です」という。ケイスパーコの父キノーは出羽さんの父親卓次郎さんが輸入し、ラディガは龍雄さんが購入を決めた。ケイキロクは出羽ファミリーのホームブレッドホースなのだ。

 牧場時代は「初仔でしたから、大きくはなかったです」というもののすくすくと成長し、2歳夏に小倉競馬場でデビューしている。そのデビュー戦は3番人気を裏切るしんがり負け。それでも強気に小倉2歳Sに挑戦すると再び3番人気に支持されるも先行して末をなくして6着。初勝利は3戦目の葉牡丹賞という変わったエピソードを持つ。

 「管理していただいた浅見先生というのは意欲的な方でした。栗東から小倉まで当日輸送を初めて行なった方です。ゴム製の腹帯を導入したり、また朝の調教中にハローかけをするように進言したのも先生が最初です。ケイキロクのオークス優勝も先生の管理馬だったということが大きいと思いますよ」と話してくれた。

 奇しくもケイキロク死亡当日は札幌競馬場でトレーニングセールが開催されている日だった。死亡が報じられた25日にはケイキロクの孫にあたる「ブレイクザレコード2009(牡、父アドマイヤジャパン)」が441万円(税込)で落札された。「嬉しかったですよ。下河辺牧場さんにお礼をしてくれたみたいですね。安らかに眠って欲しい」と生産馬を称えた。