馬産地ニュース

G1馬タケノベルベットが繁殖を引退、功労馬となる

  • 2011年03月18日
  • タケノベルベット~1
    タケノベルベット~1
  • タケノベルベット~2
    タケノベルベット~2
  • 大の仲良しというメイフィールドと一緒に過ごしている
    大の仲良しというメイフィールドと一緒に過ごしている
  • 放牧地からはオロフレ山やホロホロ山が見渡せる
    放牧地からはオロフレ山やホロホロ山が見渡せる
  • イーハトーヴ・オーシャンファームの風景
    イーハトーヴ・オーシャンファームの風景

 1992年のエリザベス女王杯(G1)を制したタケノベルベット(牝22歳)が繁殖を引退、白老町のイーハトーヴ・オーシャンファームで余生を送る事となった。

 タケノベルベットは父パドスール、母タケノダンサー(その父チャイナロック)という血統。半姉に1982年の桜花賞を制したリーゼンクロス、1983年の「優駿賞最優秀3歳牝馬」を受賞したマーサレッドがいる。エリザベス女王杯(G1)は、17番人気の低評価を覆しての勝利だったが、続く鳴尾記念(G2)では、年上の牡馬達を相手にG1馬の貫禄を見せ付けた。通算成績11戦5勝。

 引退後、生まれ故郷の武岡牧場(新ひだか町)にて繁殖入りした本馬は、2007年までに10頭の産駒を送り出していたが、近年は産駒に恵まれず、この度繁殖生活からも引退することとなった。

 繁殖引退後は土佐黒潮牧場(高知県須崎市)が譲り受け、高知で余生を送ることも考えられていたが、土佐黒潮牧場は(去勢していない)牡馬ばかりという事情や、タケノベルベットが高齢で、急な環境の変化や長距離輸送の負担なども考慮され、同じ養老牧場を営むイーハトーヴ・オーシャンファームに預託されるという形となった。

 「こちらには3月1日に移動してきました。初日は少しそわそわしていましたが、すぐに環境にも慣れました。今はメイフィールド(半血種のセン馬)と大変仲良くしています。22歳とは思えないような若々しい馬体で、牧場でも大切にされて来たのでしょう。こちらでも出来る限りの管理をして、少しでも長生きしてもらいたいですね」とイーハトーヴ・オーシャンファームのスタッフ。

 現在は朝8:00~13:30の間、メイフィールドと2頭で放牧され、悠々自適な生活を送っている。3月13日には22歳の誕生日を迎え、スタッフ内でタケノベルベットの誕生日会を行ったという話からは大切にされている様子が伝わってきた。幸せな余生を過ごしてもらいたいものだ。