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エイダイクインに9番仔が誕生

  • 2010年09月17日
  • エイダイクイン2010
    エイダイクイン2010
  • 従兄弟同士(右エイダイマリア2010)でグルーミング
    従兄弟同士(右エイダイマリア2010)でグルーミング
  • 母エイダイクインと当歳~2
    母エイダイクインと当歳~2
  • 母エイダイクインと当歳~1
    母エイダイクインと当歳~1
  • 水飲み場での様子
    水飲み場での様子

 1998年のデイリー杯クイーンカップ(G3)を優勝したエイダイクイン(牝15歳、父メジロマックイーン 母ユキノサンライズ)、今年は5月5日に9番仔となるアドマイヤムーン産駒の牡馬が誕生している。

 本馬の父アドマイヤムーンは現役時代17戦10勝、ジャパンカップ(G1)、宝塚記念(G1)、ドバイデューティフリー(G1)と3つのG1など重賞を8勝。2007年のJRA賞年度代表馬および、JRA賞最優秀4歳牡馬を受賞した。2008年より日高町のダーレージャパン・スタリオンコンプレックスで種牡馬入りし、初年度138頭、2年目195頭の繁殖を集めている。初年度産駒は2011年にデビューを迎える。

 本馬の母エイダイクインは1997年9月にデビュー。初勝利はダート1200mだったが、4戦目の赤松賞(芝1600m)を人気薄で勝利、以後は芝路線を選択し、中京3歳ステークス、デイリー杯クイーンカップ(G3)と3連勝した。桜花賞(G1)では2番人気と人気を集めたが、レース中の骨折で6着に敗れた。その後は牝馬重賞戦線を中心に活躍、2000年の中山牝馬ステークス(G3)では惜しくも0.2秒差の2着に敗れ、母ユキノサンライズとの母娘制覇とはならなかった。通算19戦4勝。

 2001年より生まれ故郷の鵡川町・東振牧場にて繁殖入りした。驚くべきはその仔出しの良さで、9年間休むこと無く産駒を送り出している。「この仔出しの良さには生産者としては頭が下がりますね。しかも、9頭中牡が8頭ですからね」と東振牧場の佐藤隆博さんも驚きの表情で語ってくれた。

 「牡馬が多いのはありがたい話なんですが、牝馬はエイダイセルリア(牝5歳、父マンハッタンカフェ 現役)しか居ないんですよ。そろそろ後継の繁殖牝馬も欲しいと思ってるんです。今年も無事に受胎しているのですが、父がアルカセットですから『アラーの神』にでもお願いしてみなきゃなりませんかね」と孝行娘の出産について語ってくれた。

 アドマイヤムーン産駒の本馬に関しては「とても人懐っこくて、扱いに苦労しない馬です。エイダイクインの仔は総じてのんびりしてるんですが、この仔は特別とろ~んとした性格で『将来、厳しい競走生活迎えるけど大丈夫?』と心配しちゃうくらいです」と語る隆博さん。馬だけに”草食系男子”なようだ。

 広大な放牧地を誇る東振牧場、放牧地の一角は小川に面していて自然の水飲み場になっている(小さな魚の姿も見える)。「夏場の暑い時期でも放牧地に水を運ぶ必要が無いのはありがたいですね」との事だが、馬にとっても水浴びなどリラックスできる空間になっているようだ。

 祖母ユキノサンライズ、母エイダイクインと続いた重賞制覇、本馬と兄姉達には親仔三代となる重賞制覇が期待されているだけに、その日が来ることを願いたい。