馬産地ニュース

アロースタッドで種牡馬展示会が開催される

  • 2021年02月15日
  • 芝、ダートの双方でG1勝ちを収めたモズアスコット
    芝、ダートの双方でG1勝ちを収めたモズアスコット
  • ディープインパクト産駒でも、未完の大器との呼び声も高かったレッドベルジュール
    ディープインパクト産駒でも、未完の大器との呼び声も高かったレッドベルジュール
  • オルフェーヴル産駒では、最初のクラシックウイナーとなったエポカドーロ
    オルフェーヴル産駒では、最初のクラシックウイナーとなったエポカドーロ
  • 管理馬だったモズアスコットとグランプリボスの展示に際しては、現役時に管理していた矢作調教師からエールが送られた
    管理馬だったモズアスコットとグランプリボスの展示に際しては、現役時に管理していた矢作調教師からエールが送られた
  • ウォータービルドは種牡馬入りを熱望したオーナーの期待に応えてくれるはず
    ウォータービルドは種牡馬入りを熱望したオーナーの期待に応えてくれるはず
  • 世界のクルーミーもその姿を画面越しに見守ったカリフォルニアクローム
    世界のクルーミーもその姿を画面越しに見守ったカリフォルニアクローム
  • 展示会のトリを務めたシニスターミニスター
    展示会のトリを務めたシニスターミニスター

 2月10日、アロースタッドの種牡馬展示会が開催。新種牡馬4頭を含む32頭が生産関係者の前でお披露目された。

 コロナ禍での開催となった今年の種牡馬展示会は、会場の入り口での体温測定に加えて、手指の消毒が行えるスプレーも設置されていた。また、今年の種牡馬展示会は来場ができなかった関係者だけでなく、競馬ファンにも会場の空気感を感じてほしいという関係者の思いから、YouTubeとニコニコ動画でライブ配信も実施された。

 (株)ジェイエス事務局の担当者と矢作さんが進行役を務める中、まず展示が行われたのが新種牡馬の4頭。その中で最初のお披露目となったモズアスコットの展示に際しては、現役時に管理を行っていた矢作芳人調教師にマイクが渡された。

 矢作調教師は、「彼と初めてあったのは、キーンランドセールの会場でした。筋肉量が多く、素晴らしい馬だと一目ぼれしました。また自分が管理をしていたグランプリボスが、セントジェームズパレスS(G1)に出走した際の勝ち馬が、モズアスコットの父であるフランケルでした。その時の鮮烈な印象は北側オーナーも一緒であり、どうしてもモズアスコットを手に入れたいと2人の意見が一致しました」とデビュー前のエピソードを語った。

 日本でも多くの活躍馬を輩出しているフランケル産駒であり、そして史上5頭目となる芝とダートの両G1制覇をあげたオールマイティな競走能力も、生産界から高い評価を集めており、今シーズンの配合申し込みは既に満口となっている。

 その後にはデビュー2戦目でデイリー杯2歳S(G2)を優勝したレッドベルジュールが展示された。全弟レッドベルオーブも次の年に同レースを制し、朝日杯FS(G1)でも1番人気を集めている。種付シーズンの最中に行われる、今年のクラシック戦線での活躍は、兄の種牡馬としての評価を更に高めてくれることだろう。

 2018年の皐月賞馬となったエポカドーロは、新種牡馬3頭目の展示となった。オルフェーヴル産駒初のクラシックウイナーであり、そして初めての後継種牡馬ともなる。父のオルフェーヴルは昨年、キャリアハイとなるサイアーランキングの4位にランクイン。今年もラーゴムがきさらぎ賞(G3)を優勝するなど、好調なスタートを切っている。その父の高い評価も人気の追い風となりそうであり、父に続く日高産馬のクラシックウイナーも期待したくなる。

 新種牡馬最後の展示となったのはウォータービルド。父はディープインパクト、祖母スクレイプはフォーティナイナーの全妹という良血馬。度重なる怪我もあり、高い能力を発揮できなかったものの、山岡良一オーナーの種牡馬にしたいという強い思いからスタッドインとなった。半兄ウォータールルドも中央で6勝をあげており、その堅実さもまた、産駒に遺伝されていくに違いない。

 「レディースアンドジェントルメン!」と担当者が全世界の動画視聴者に向けて呼びかけたのと、ほぼ時を同じくして、姿を見せたのがカリフォルニアクローム。昨年は体調不良で展示が行われず、展示会としては初めてのお披露目となる。

 体調不良の一報が流れた時には、世界中のクルーミー(カリフォルニアクロームの熱狂的なファン)からは、ジェイエスのTwitterに安否を気遣う書き込みもあったという。この日もカリフォルニアクロームの姿が動画で流れた際には、Twitterのコメント欄が英語で埋め尽くされていたほどの人気ぶりだった。

 この後も、矢作調教師から応援メッセージが送られたグランプリボスをはじめ、バラエティー豊かなスタリオンズが約1時間半に渡って展示。新種牡馬の再展示が終わった後、カメラの前を向いた担当者と矢作さんは、動画視聴者に向けて挨拶を行っただけでなく、来年の配信も約束していた。