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道営スプリントはジャスパーシャインが5連勝で重賞初勝利

  • 2020年11月09日
  • 直線の攻防大外から抜け出るジャスパーシャイン
    直線の攻防大外から抜け出るジャスパーシャイン
  • ジャスパーシャインが5連勝で重賞初勝利
    ジャスパーシャインが5連勝で重賞初勝利
  • 3歳馬による制覇は9年振り4頭目
    3歳馬による制覇は9年振り4頭目
  • 嬉しい口取り写真
    嬉しい口取り写真
  • 表彰を受ける関係者の皆さん
    表彰を受ける関係者の皆さん

 ホッカイドウ競馬短距離路線の最高峰であり、今年からH1に格上げされた東京スポーツ杯第15回道営スプリント(H1)【ファインニードル賞】が11月5日、ダート1200mで争われた。

 今年は他地区からの遠征馬はなく、3歳~9歳の13頭がエントリー。1番人気に推されたのは、エトワール賞で悲願の重賞初制覇を果たし、ウポポイオータムスプリント2着のソルサリエンテで2.0倍。枠順にも恵まれ、絶好のコンディションで臨む大一番、ここは負けられない1戦だ。4.5倍の2番人気は昨年のエトワール賞勝ち馬、ジョウラン。今年はまだ重賞未勝利だが、寒くなるにつれて状態を上げており、ここで一発ありそうな不気味さを纏っていた。6.4倍の3番人気は前哨戦ウポポイオータムスプリント3着のソイカウボーイ。同レースは1着~3着まで際どいハナ差決着だったことから、1番人気に迫れると人気を集めた。

 最内枠のジャスパーシャインがやや立ち遅れ、スタート良く飛び出したのは3歳牝馬のアザワク、それを制するように内からオールドベイリー、ウワサノコウタロウ、エイシンバランサー、ジョウランなどが続く。4コーナーを回り直線に入るとアザワクが先頭に立ち、外からジョウランも伸びてくる。残り100m、道中後方を追走していたジャスパーシャインが大外から一気に馬群を飲み込み、そのまま先頭でゴールを駆け抜けた。勝ち時計は1分11秒7(晴・重)。1馬身差の2着にジョウラン、更に1馬身差の3着はアザワク、人気のソルサリエンテは7着に敗れた。

 昨年のアップトゥユーにつづいて同レース連覇となった阿部龍騎手は「レース展開と言うより、馬のリズムを崩さないことを最優先に考えて乗りました。勝負所の反応が凄く良かったし、これなら勝てると確信。いい馬に巡り会わせてもらって幸せです」と感謝を口にした。

 今季重賞2勝目となった佐久間雅貴調教師は「阿部騎手が最高の仕掛け所で動いてくれましたし、完璧なレースだったと思います。今後はゆっくり休んでもらって、疲れが取れてからオーナーと相談したいです」と声を弾ませた。

 ジャスパーシャインは、父Violence、母Golden Made、その父Allen's Prospectという血統、加国産の3歳牡馬。20年1月中山ダ1200mの3歳新馬戦でデビュー、中央交流戦を含む5戦を消化したが二桁着順が続き、3歳未勝利戦終了前にホッカイドウ競馬へ移籍。移籍後は5連勝でスプリント王者の座を手に入れた。