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JBC2歳優駿(Jpn3)は地元ラッキードリームが重賞2勝目

  • 2020年11月05日
  • 真ん中を突き抜けるラッキードリーム
    真ん中を突き抜けるラッキードリーム
  • 地元勢の意地を見せ、重賞2勝目
    地元勢の意地を見せ、重賞2勝目
  • 第1回JBC2歳優駿馬に輝いた
    第1回JBC2歳優駿馬に輝いた
  • 関係者に祝福された口取り写真
    関係者に祝福された口取り写真
  • プレゼンターとして招待された橋本聖子大臣、静内農高の生徒たちと
    プレゼンターとして招待された橋本聖子大臣、静内農高の生徒たちと

 ホッカイドウ競馬2歳重賞の最高峰でもある交流重賞、北海道2歳優駿(Jpn3)が今年から同日に施行されるJBC競走に組み込まれリニューアル。第1回JBC2歳優駿(Jpn3) 【サンダースノー賞】と名称を変え11月3日、門別競馬場ダート1800mで行われた。

 今年のメンバーはJRA所属馬5頭、大井から参戦した紅一点のカイカセンゲンは、2012年のブリーダーズゴールドジュニアC、フローラルCを制したカイカヨソウの初仔、そして道営所属馬8頭の計14頭が新しい歴史に名を刻むべく北の大地に集結した。

 2.3倍の1番人気はJRA所属のパイロ産駒、タイセイアゲイン。母の半姉はミラクルレジェンド、半兄ローマンレジェンドというダート活躍馬を量産している“レジェンド一族”。ダ1800mの新馬戦を8馬身差で圧勝、つづくプラタナス賞も危なげなく連勝し、3戦目でここに照準を合わせてきた。少し離された6.4倍の2番人気は、JRA所属のマクフィ産駒、ルーチェドーロ。新馬は函館ダ1000mの不良馬場を7馬身差で逃げ切り、函館2歳S(G3)クビ差2着。距離延長が不安材料となるが、地力の差で押し切れるか。3番人気は地元ホッカイドウ競馬のカジノドライヴ産駒、シビックドライヴで7.7倍。同距離で行われたサンライズCを強い内容で優勝し、地元勢の代表として堂々とレースに臨んだ。

 50組100名限定とはいえ、今季初めてお客さんの目の前で行われる重賞レース。特に2歳馬たちは人のいない競馬場しか経験がないため、いつもと違う雰囲気に入れ込む姿が見られた。スタンド前からの発走、一団横並びから先手を主張したのはJRA所属のカズカポレイ。次いで人気の一角ルーチェドーロ、ブライトフラッグ、プライムデイ、レイニーデイらが追走。3コーナーを周り逃げていたカズカポレイが失速、地元ブライトフラッグが先頭に立ち直線を目指す。残り100m、ブライトフラッグとレイニーデイの2頭が完全に抜け出したところへ外からラッキードリームが並ぶ間も無く2頭を交わし、さらに外からは13番人気のトランセンデンスも追い込んでくるが、届くか届かないかというところでゴール板に到達した。着順はすんなり上がり、記念すべき第1回JBC2歳優駿(Jpn3)勝ち馬に輝いたのはラッキードリーム。勝ち時計は1分53秒4(晴・不良)。クビ差2着にトランセンデンス、1馬身差の3着はレイニーデイという結果だった。

 鞍上の石川倭騎手は、2018年のエーデルワイス賞(Jpn3)につづき交流重賞2勝目。ラッキードリームとコンビを組んで2戦2勝の成績を誇っている。「先生からは前に行く馬の後ろくらいの位置で、という指示だったので、イメージ通りの位置取りができたと思います。手応え良く4コーナーを回り、抜け出した後も外から来ている馬がいたので気を抜かず最後までしっかり追いました。鞍上の指示に素直に従ってくれる非常に乗りやすい馬なので、これからどこへ遠征しても力は出せるタイプだと思います」と評した。

 管理する林和弘調教師は「前走(サッポロクラシックC)の時は馬に少し疲れが見えていたけど、今回は前走よりは状態が良かったので、中央の馬との力関係がよくわからなかったけど馬の力は出せるだろうと思っていました。とにかく嬉しいに尽きるね」と喜びを爆発させた。

 ラッキードリームは父シニスターミニスター、母サクラスリール、母の父ファンタスティックライトという血統の2歳牡馬で、生産は “サクラ”の名馬を送り出してきた新ひだか町の谷岡牧場。次走は12月16日に川崎競馬場で行われる全日本2歳優駿(Jpn1)を予定している。