馬産地ニュース

瑞穂賞はスーパーステションが逃げ切り勝ち

  • 2020年10月12日
  • 1年振りの重賞を逃げ切りV
    1年振りの重賞を逃げ切りV
  • 強いスーパーステションが帰ってきた
    強いスーパーステションが帰ってきた
  • これで重賞13勝目
    これで重賞13勝目
  • 喜びもひとしおだ
    喜びもひとしおだ
  • 笑顔の角川調教師、阿部龍騎手
    笑顔の角川調教師、阿部龍騎手

 道営記念を目指す伝統の一戦、中京スポーツ杯第53回瑞穂賞(H2)【デクラレーションオブウォー賞】が10月7日、門別競馬場距離1800mで行われた。

 今年は4歳から8歳までの7頭が参戦。1.4倍という断然の一番人気に推されたのは、今季からホッカイドウ競馬に移籍し、移籍3戦目の旭岳賞で早々に重賞ウイナーに輝いたルールソヴァール。3.1倍の2番人気はホッカイドウ競馬の雄、スーパーステション。約1年の長期休養を経て、復帰戦となった前走では全盛期と同様果敢に逃げて3着。完全復活を願うファンから熱い支持を受けた。3番人気はヤマノファイトで7.0倍。旭岳賞では2番人気に推されながらスタート直後落馬競走中止、1戦挟んで気持ちを立て直し、2年振りの重賞制覇へ向け態勢は整った。

 スタンド前からのスタート、ハナを主張したのは、やはりこの馬スーパーステション。同じく逃げを身上とするクインズプルートは無駄な争いを避け外目2番手に進路をとった。内にサニークラウド、その後ろにルールソヴァール、最内ステージインパクト、外ヤマノファイト、最後方ルフィアンキックという態勢で1コーナーを周って行く。全馬ほぼ一団で3コーナーへ、クインズプルートの手が激しく動き、スーパーステションを捕らえようとするも、4コーナーでスパートしたスーパーステションに誰も追いつくことができない。ルールソヴァール、ヤマノファイトらも追い上げてくるが2番手争いまで。一人旅となったスーパーステションが3馬身の差を付け逃げ切り勝ちを収めた。勝ち時計は1分52秒3(晴・重)2着にルールソヴァール、3馬身差の3着はクインズプルートという結果だった。

 1年振りに強い相棒が戻ってきた。感無量といった表情の鞍上の阿部龍騎手は「脚元の不安がある中、一生懸命走ってくれて…」と声を詰まらせた。「前走、復帰戦で闘争心がなくなってないことを確認できました。今回は連勝していた頃のイメージで、いつも通りの走りをしてあげられるように、ということだけを考えて乗っていました。最後までしっかり脚を使ってくれて、休養明け最初の勝利ですから心から嬉しいです」と怪我を乗り越え戻ってきてくれた相棒を称えた。

 管理する角川秀樹調教師は「嬉しいより先に涙だね。復帰するまで長かった。一回使った上澄みはあると感じていたし、展開もこの馬に向いたかな。去年までは勝つのが当たり前だった、今年は違った意味で勝つ姿が見れてホッとしてます」と感慨深げだった。

 スーパーステションは、父カネヒキリ、母ワイルドイマージュ、その父ワイルドラッシュという血統の6歳牡馬。新ひだか町静内にあるグランド牧場のオーナーブリーディングホース。2018~19年に地元重賞連勝記録10勝を達成。昨年の旭岳賞勝利を最後に戦列を離れ、長期休養を余儀なくされていた。