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リリーCはソロユニットが重賞初勝利

  • 2020年09月10日
  • 後続を突き放すソロユニット
    後続を突き放すソロユニット
  • 牝馬らしからぬメンタルの強さで重賞初勝利
    牝馬らしからぬメンタルの強さで重賞初勝利
  • 立ち込める砂塵の中帰還
    立ち込める砂塵の中帰還
  • 2歳女王への道を歩み始めた
    2歳女王への道を歩み始めた
  • 嬉しい口取り写真
    嬉しい口取り写真

 8月27日、門別競馬場では2歳牝馬による重賞、HTB杯第17回リリーカップ(H3)【ダンカーク賞】がダート1200mで争われた。

 今年は12頭がエントリー。1.6倍という断然の1番人気に推されたのは、新種牡馬アジアエクスプレス産駒のソロユニット。デビュー戦こそアタマ差2着に敗れはしたものの、その後は後続を引き離す圧勝で三連勝中。2番人気はサウスヴィグラス産駒のトンデコパで6.3倍。前走フルールCでは7番人気で2着、今回は人気を背負っての出走だ。3番人気はディープブリランテ産駒のブルーカルセドニーで7.6倍。デビューしてから一度も複勝圏内を外したことのない安定感で人気を集めた。

 レースは向こう正面中間からスタート。エムザックベールが立ち遅れ、押して先手を奪ったのはトンデコパ、次いでソロユニット、外レディブラウン、マイハンプス、レーヴプルーヴ、ティーズアレディーがほぼ一団で3コーナーを回っていく。3~4コーナーでトンデコパ、ソロユニット、レディブラウンの3頭が後続を突き放し、ムチが飛ぶと楽にソロユニットが先頭へ躍り出た。あとはソロユニットの一人旅、後続との差は1完歩ごとに開いていき、2着に7馬身の差を付け悠々とゴール板を駆け抜けた。勝ち時計は1分13秒9(晴・良)。2着にレディブラウン、1/2馬身差の3着はマイハンプスという結果だった。

 ソロユニットを勝利に導いたのは、2015年のモダンウーマン、2017年のストロングハートに続き同レース3勝目と相性の良い阿部龍騎手。コンビを組んでから4戦4勝で重賞制覇を果たしている。「前向きでメンタルが強いのがこの馬の長所。外からずっと被せられていても力むことなくマイペースでレースができましたし、3~4コーナーでの手応えも抜群で、すごい馬だなあと思いながら乗っていました」と笑顔を見せた。

 管理する角川秀樹調教師は、同レース10回目の勝利。「道中挟まれる形でプレッシャーもあっただろうし、中1週のローテーションもきついかなと心配していましたが、強い競馬をしてくれましたね。本番のエーデルワイス賞(Jpn3)に向けてますます楽しみが膨らみました」と振り返った。

 ソロユニットは父アジアエクスプレス、母ヒバリエクスプレス、母の父アグネスデジタルという血統の2歳牝馬で、新冠町の村上雅規牧場のオーナーブリーディングホース。ホッカイドウ競馬で活躍したダブルシャープの故郷でもあり、ソロユニットの半姉にはグランシャリオ門別スプリント勝ち馬アザワクがいる。今後もこの姉妹の活躍から目が離せない。