馬産地ニュース

静内農高生産馬が2,750万円で売却

  • 2020年08月31日
  • 北海道サマーセールで売却されたマドリガルスコア2019
    北海道サマーセールで売却されたマドリガルスコア2019
  • 落札価格27,500,000円は静内農高生産馬としては過去最高になる
    落札価格27,500,000円は静内農高生産馬としては過去最高になる
  • 竹園正継氏を交えての記念撮影
    竹園正継氏を交えての記念撮影
  • 愛馬をねぎらう静内農高の生徒
    愛馬をねぎらう静内農高の生徒

 8月25日、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校(佐藤裕二校長、生徒数123名)は、新ひだか町静内神森にある北海道市場を会場に開催された北海道サマーセール(主催:日高軽種馬農業協同組合)において、生産馬を27,500,000円(税込)で売却した。

 売却したのは昨年5月25日に生まれた牡1歳鹿毛のマドリガルスコア2019。父は日本軽種馬協会(JBBA)静内種馬場に繋養されるマクフィ、母はマドリガルスコア、母の父はダンスインザダークという血統で、生徒からは「健康に育ってほしい」という願いを込め、健叶(けんと)と名付けられた。

 北海道静内農高は、全国で唯一の軽種馬生産学習を行う公立高校で、生産科学科の馬コースの生徒9名が軽種馬の管理をしているという。この日は担当教諭と代表して3名の生徒がせり会場に来場。新型コロナウイルスの影響で入場制限がかかり、会場に来られなかった生徒は学校でライブ中継の画面の前で見守った。

 北海道サマーセール初日の5頭目に登場したせりは2,500,000円からスタート。すぐに複数の声がかかり、金額はあっという間に10,000,000円を超え、最後はテイエムオペラオー、テイエムオーシャン、テイエムプリキュアなどのチャンピオンホースをはじめ数多くの活躍馬を所有する、「テイエム」の冠名で知られる鹿児島県の竹園正継氏がせり落とした。

 竹園氏は「サラブレッドとして理想的な体型をしていてずば抜けていた。最初から決めていました。育てた生徒たちが応援できるよう札幌競馬場でデビューさせたい」と絶賛。競走馬名の一部は生徒に決めさせることも約束した。

 引き馬を担当した山形采さんは「生まれた時から育ててきたのでうれしい。こんなに高額になるとはびっくりしましたが、いろいろな人に良い馬と認められたような気がします」と涙を浮かべた。

 生徒の周囲には携わった高校関係者や卒業生の生産者らが駆け付け祝福。種付けや直腸検査、臨床や、せり会場へ向けての馬運車の積み込みを手伝ったJBBA静内種馬場の中村北斗獣医師は「なかなか受胎しないで苦労したことなど走馬灯のように浮かんできます。高値で売れて本当によかったですね」と喜んだ。