馬産地ニュース

八戸市場が開催される

  • 2020年07月09日
  • 最高価格馬落札の瞬間
    最高価格馬落札の瞬間
  • 最高価格を記録したバーニングラブ2019
    最高価格を記録したバーニングラブ2019
  • いつも以上に馬同士の間隔を空けて行われた比較展示
    いつも以上に馬同士の間隔を空けて行われた比較展示
  • 来場者には検温が義務付けられた
    来場者には検温が義務付けられた
  • 並べられた除菌グッズ
    並べられた除菌グッズ

 青森県軽種馬生産農業協同組合が主催する「八戸“奏”市場」が7月7日、同県三戸郡南部町の八戸家畜市場で開催された。

 今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から来場者に対して検温、アルコール消毒などを実施。比較展示の際には馬との間隔を例年以上に確保して、いわゆる「密」をつくらないような工夫を施しての開催となった。

 北海道産馬含む42頭の1歳馬が上場(前年比7頭増)、売却頭数は29頭(牡18頭、牝11頭)。69.0%の売却率で総額87,560,000円(前年比6,832,000円減)を売り上げた。平均価格は前年比913,690円減の3,019,310円だった。

 前日から開催日早朝にかけて天気が心配されたが、名簿掲載頭数43頭に対して購買登録者数は108名(11名増)。制限はかけたものの、会場内は多くの馬主、馬主代理人であふれた。

 山内正孝市場長は「今年は北海道市場トレーニングセールや千葉サラブレッドセールが中止となり、また九州1歳市場はオンラインでのセール開催となりました。検温やアルコール消毒など、購買者の方々にはご不便や窮屈な思いをさせてしまう中での開催となりましたことをお詫びしますが。まずはこうして無事に開催できたことにほっとしています」とあいさつした。

 今年に入ってからは初めての通常開催でのせり。様子見ムードの中でせりはスタートし中盤あたりから複数のバイヤーによる競り合いとなった。

 最高価格は全兄にドスハーツ(JRA1勝)がいる「バーニングラブ2019」(牡、父ウインバリアシオン)の6,820,000円。東京都の犬塚悠治郎氏が落札している。

 また、牝馬では北海道産の「ルナフェリーナの2019」の5,390,000円で、全体の中では高額2位の落札馬となった。こちらはJRA日本中央競馬会によって落札されている。

 高額3位は新種牡馬ラニの産駒「ムレイニー2019」。母が米国の重賞勝馬で、半兄カンムルが南関東の重賞戦線で活躍中という血統。5,060,000円で神奈川県の高橋正雄氏が落札している。

 市場終了後、山内市場長は「開催するにあたって日本軽種馬協会、日高軽種馬農協、胆振軽種馬農協などたくさんのご協力をいただき、おかげで無事に終えることができました。感謝申し上げたい。売上げ総額が昨年に及ばなかったのは、高額馬が出なかったこと。コロナの影響も少なからずあったと思う。それでも、昨年よりも多い上場頭数の中で、昨年を超える売却率を記録できたことは評価したい。次につなげるために、取引された馬の活躍を期待したい」と総括した。