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グランシャリオ門別スプリントはアザワクがレコードタイムで初重賞勝利

  • 2020年07月08日
  • 不良馬場の中逃げ切りを図るアザワク
    不良馬場の中逃げ切りを図るアザワク
  • レコードタイムで初重賞勝利
    レコードタイムで初重賞勝利
  • 握手を交わす小野騎手と角川調教師
    握手を交わす小野騎手と角川調教師
  • 3歳牝馬が制するのは同レース初
    3歳牝馬が制するのは同レース初
  • 父カレンブラックヒルにとっても産駒重賞初勝利
    父カレンブラックヒルにとっても産駒重賞初勝利

 7月2日、門別競馬場ではスーパースプリントシリーズ(SSS)トライアル第5弾となる雪印メグミルク杯第6回グランシャリオ門別スプリント(H2)【ミッキーアイル賞】が距離1000mで行われた。

 3歳から10歳まで、8頭のスピード自慢が顔を揃えた。2.4倍の1番人気は、中央交流重賞・北海道スプリントカップ(Jpn3)で強力なJRAの布陣を打ち破った10歳馬、メイショウアイアン。前走より更に体調は上向き、ここでも期待の1頭だ。2.9倍の2番人気は唯一の3歳馬、アザワク。2歳時エーデルワイス賞(Jpn3)2着の実績馬だが、意外にも重賞は未勝利。最高齢VS最年少の戦いに注目が集まる。3番人気は今季からホッカイドウ競馬に移籍してきたJRAダート短距離のオープン馬、ニットウスバルで5.7倍。移籍初戦を勝利で飾り、8歳馬ながら重賞を勝つだけの力はありそうだ。

 “蝦夷梅雨”の影響か、断続的な雨が続く門別競馬場の馬場状態は不良。スタートが勝敗の鍵を握るスプリント戦、水の浮いた馬場はかなり過酷な条件に映った。ロケットスタートを見せたのはアザワク。ジョウラン、アークヴィグラスがつづき、スタート直後大きく体勢を崩したニットウスバルが最後方となった。ドロドロ馬場を物ともせず軽快に逃げるアザワク、4コーナーを周ってもその脚色は衰えず、独走体勢に入った。いつも通り後方から追い込んでくるメイショウアイアンだったが、この馬場ではいつもの切れ味が発揮し切れず、アザワクが待望の重賞初勝利を飾った。勝ち時計58秒4(雨・不良)は昨年記録されたレコードタイムを0.2秒上回るレコード決着。2馬身差の2着にメイショウアイアン、1馬身1/2差の3着は7番人気のオールドベイリーという結果だった。

 最年少のアザワクを重賞勝利へ導いたのは、昨年騎手デビューした新人、20歳の小野楓馬騎手。デビュー年だった昨年は同じく角川厩舎のプリモジョーカーに騎乗し、リリーカップを制覇。これで重賞2勝目となった。「他の馬とはテンのスピードが違うので、最初からハナに行くと決めていました。馬場にも味方されましたし、この馬の力が発揮できる条件が全て揃ったようなレースでしたね」と満面の笑み。

 管理する角川秀樹調教師は「馬の状態もこのレースに向けて上がってきていたし、斤量(51kg)、馬場にも恵まれ、ジョッキーも思い切った騎乗をしてくれたことが良い結果に繋がりました」。次走に関しては「このレースの結果次第で次走を考えようと思っていたので、これからオーナーと相談します」とのことだった。

 アザワクは父カレンブラックヒル、母ヒバリエクスプレス、母の父アグネスデジタルという血統の3歳牝馬で、生産は新冠町の村上雅規牧場。2018年のオータムセールにおいて216万円で落札された市場取引馬で、馬主は(株)オリオンファーム。

 また、この日は門別開催1日の発売金額レコードを更新。全国から注目を集めたレースとなった。