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北海優駿はアベニンドリームが重賞初勝利

  • 2020年06月22日
  • 逃げるシンボを捕らえにかかるアベニンドリーム
    逃げるシンボを捕らえにかかるアベニンドリーム
  • 48代目の北海優駿馬はアベニンドリームに決まった
    48代目の北海優駿馬はアベニンドリームに決まった
  • ガッチリ握手を交わす角川調教師
    ガッチリ握手を交わす角川調教師
  • 喜びの口取り
    喜びの口取り
  • ダービーパネルと記念撮影
    ダービーパネルと記念撮影

 6月18日、門別競馬場ではダービーシリーズ最終戦となるSTV杯第48回北海優駿(H1)【イスラボニータ賞】がダート2000mで行われた。

 今年は他地区からの参戦はなく、牡馬10頭・牝馬2頭の12頭が3歳馬の頂点を目指した。1.6倍の断然の1番人気に推されたのは、昨年の北海道2歳優駿(Jpn3)でJRA所属馬を相手に2着したアベニンドリーム。1番人気に推された一冠目北斗盃では6着だったが、前走古馬相手の特別戦を5馬身差で圧勝。ここでの巻き返しを期待されていた。2番人気は、北斗盃で並み居る牡馬たちを蹴散らした牝馬、レッドカードで4.0倍。9.3倍の3番人気はこれが重賞初挑戦となるコパノリッチマン。今シーズンJRAから移籍し、三連勝中と最も勢いのある馬だ。

 レースは4コーナーポケット地点からスタート。お互い牽制しながらゆったりとしたペースで進むホームストレッチ、ハナを主張したのは7番人気のシンボ。コパノリッチマン、クラモン、レッドカード、アベニンドリームなどがつづき、横一線だった隊列はゆるやかに縦長へ変化しながら1コーナーを周った。3コーナーに差し掛かるとアベニンドリームが3番手まで上がってきたが、前を行くシンボ、コパノリッチマンの脚色も衰えない。3頭並んだ状態で最後の直線に向いた。残り100mでコパノリッチマンが遅れ、シンボとアベニンドリームの一騎打ちとなったが、ゴール板手前でアベニンドリームがシンボを差し切る形で人気に応えた。勝ち時計2分12秒8(晴・稍重)3/4馬身差の2着は最後まで粘ったシンボ、そこから3馬身離された3着にコパノリッチマンという結果だった。

 前日のヒダカソウカップにつづき重賞二連勝となった角川秀樹調教師・桑村真明騎手の師弟コンビ。桑村騎手は2016年のスティールキング、2018年のカツゲキジャパンで北海優駿を制しており、3度目のダービージョッキーとなった。「リラックスして返し馬ができたので、これなら折り合いも問題なさそうだなと安心してレースに向かいました。道中はとにかく折り合いと、いつでも動き出せるように位置取りに気をつけていました。粘っていたシンボをもう少し楽に交わせるかと思ったのですが、最後遊んでしまうところがあるので、この辺が克服できればもっと良くなると思います。能力ある馬に乗せてもらっていたのに中々結果が出せませんでしたが、今日は勝てて嬉しいです」とホッとした表情を浮かべた。

管理する角川秀樹調教師は「前走から中1週というローテーションでしたが、この馬にとっては良かったみたいだね。ブリンカーの効果で馬の後ろに付けて折り合いも問題なかったし、収穫のあるレースでした。あと一冠、良い状態で出走させたいと思っています」と気持ちを新たにしていた。

 アベニンドリームは、父オンファイア、母アベニンプラナス、その父サウスヴィグラスという血統の3歳牡馬。生産は日高町のスマイルファームで、牝系を遡るとミホノブルボンの母カツミエコーがいる母系を持つ。

 2歳時、川崎競馬に遠征して重賞初挑戦した鎌倉記念で2着、中1週で挑んだ地元の中央交流重賞・北海道2歳優駿(Jpn3)でも2着と健闘した。オフシーズンは厩舎で調整し、三冠一冠目の北斗盃は6着に敗れたが、北海優駿で待望の重賞初勝利を飾っている。