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北斗盃は紅一点のレッドカードが勝利

  • 2020年05月19日
  • 残り100m、抜け出したのは牝馬のレッドカード
    残り100m、抜け出したのは牝馬のレッドカード
  • 3歳クラシックの一冠目を戴冠した
    3歳クラシックの一冠目を戴冠した
  • 井上俊彦騎手はホッカイドウ競馬最高齢重賞勝利を達成
    井上俊彦騎手はホッカイドウ競馬最高齢重賞勝利を達成
  • 惜敗が続いていたレッドカード、これが重賞初勝利
    惜敗が続いていたレッドカード、これが重賞初勝利
  • 関係者による口取り写真
    関係者による口取り写真

 5月14日、門別競馬場では3歳クラシック第1弾となる道新スポーツ杯第44回北斗盃(H2)【ヴィクトワールピサ賞】がダート内回り1600mの舞台で行われた。

 今年は7頭の3歳馬が三冠をかけて最初のステージに挑んだ。

 1.5倍という断然の1番人気に推されたのは、オンファイア産駒のアベニンドリーム。川崎競馬へ遠征し鎌倉記念を2着したのが初重賞挑戦、つづく北海道2歳優駿(Jpn3)2着と地元最先着を果たし、上位の力を見せつけた。3.3倍の2番人気はキンシャサノキセキ産駒の紅一点、レッドカード。2歳時はブロッサムカップを10番人気で2着。オフシーズン中は川崎、岩手へ遠征し、積極的に他地区の同世代と戦ってきた。3番人気はロージズインメイ産駒のタイセイシャイニーで7.6倍。3歳4月にデビュー、1勝馬ながら未知の魅力が人気を後押しした。

 静まり返ったスタンド前からレースはスタート。横一線から抜け出たのは7番人気のシンボとアベニンドリーム、その直後にタイセイシャイニー、レッドカード、フジノロケット、ライトロングが二番手集団を形成。4番人気のアッカレッツァーレがポツンと置かれた最後方という展開で1コーナーを周った。3~4コーナーでアベニンドリームがシンボを競り落とし先頭へ、2頭の真ん中を割ってレッドカード、ライトロングも進出を開始。残り200m、もう一度シンボが盛り返しアベニンドリームが下がったところへレッドカードが楽な手応えで先頭へ躍り出る。外からアッカレッツァーレが上がり最速の脚で追い上げて来るが、クビ差凌ぎ切って牝馬のレッドカードが最初の一冠目を手にした。勝ち時計は1分45秒1(晴・良)、2着にアッカレッツァーレ、2馬身1/2差の3着は最後まで粘ったシンボが入線した。

 この勝利でホッカイドウ競馬最高齢重賞勝利(55歳1か月)を達成した井上俊彦騎手。レース後のインタビューでは「最高齢と言われる年齢になってちょっと恥ずかしいけど、久しぶりに重賞を勝てて嬉しいです」と笑顔を見せた。レースに関しては「ゲート裏ではテンションが高く大丈夫かなと思いましたが、スタートすれば折り合いもついて、落ち着いてレースができましたね。素直で砂を嫌がらない、とても乗りやすい馬ですから、今日は前が早くなると踏んで中団で脚を溜めようと描いていた通りの位置取りでレースを運べました。最後の直線では、抜け出した時に遊ぶような仕草を見せて、後ろから来る馬にヒヤッとしましたが、最後まで踏ん張ってくれましたね」と終始笑顔で振り返った。

 管理する林和弘調教師は「前走岩手の留守杯日高賞で2着。そこから中2週に足りないくらいのレース間隔でしたが、輸送時間もそんなに長くないし、調整はしやすかったですね。次走については馬の状態を見ながら選定していきたいです」と慎重な姿勢を見せていた。

 レッドカードは、父キンシャサノキセキ、母キューバンリズムⅡ、その父Kingmamboという血統の3歳牝馬。ビッグアーサーやバンブーエールなど数々のG1馬を送り出してきた浦河町・バンブー牧場のオーナーブリーディングホース。競走成績は11戦3勝、重賞成績は4戦1勝、2着2回と好成績を収めている。