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輸入繁殖牝馬のJRAホームブレッドが誕生

  • 2020年04月28日
  • 輸入繁殖牝馬から生まれたJRAホームブレッド
    輸入繁殖牝馬から生まれたJRAホームブレッド
  • 母は米1勝のアーツィハーツ
    母は米1勝のアーツィハーツ
  • 父はエスケンデレヤ。3月20日生まれの牡の鹿毛
    父はエスケンデレヤ。3月20日生まれの牡の鹿毛

 3月20日、JRA日本中央競馬会が海外から輸入した繁殖牝馬の初産駒が、浦河町西舎にあるJRA日高育成牧場で誕生した。

 母になった輸入繁殖牝馬はアメリカ産馬のアーツィハーツ。キャンディライド産駒の牝の5歳で、現役時代はアメリカで11戦1勝の競走成績を残した。2018年のキーンランドノベンバーセールにおいて購入し日本へ輸入され日高育成牧場で繁殖牝馬として供用をスタート。2019年に日本軽種馬協会所有の種牡馬エスケンデレヤと交配され、今春、鹿毛の牡馬を出産した。

 担当する日高育成牧場業務課の岩本洋平診療防疫係長は「私たちにとっては輸入繁殖牝馬として初めての出産、母にとっても初産でしたが、特に問題なく安産でした。初仔ということで少し小さめですが、健康状態は良好で元気に生まれてきました。子育てに関しては最初は戸惑ってましたが慣れてからはしっかりと世話をして母性が強いです。JRAホームブレッドとしては海外から導入した繁殖から生まれた初めての産駒です。無事に育ってブリーズアップセールで売却され、競走馬としてデビューできることを願っています。理想をいえば勝ってほしいですね」と話している。

 JRAは全国のサラブレッド1歳市場で購買した馬をJRA育成馬としてJRAの施設で育成調教しているが、「強い馬づくり」のための生産育成研究や生産育成技術の開発を行い、その成果の普及、啓発に努め、生産や育成分野のレベルアップに取り組むなかで、2008年からは日高育成牧場において生産業務も開始。生産馬はJRAホームブレッドと呼ばれ、2009年生産の一世代目から毎年10頭弱生産してきた。これまでに2018年のマーキュリーC(Jpn3)2着のヨシオ、2018年のききょうS勝ち馬イッツクール、2013年に新馬、中京2歳Sを連勝したグランシェリー、JRA4勝のリッパーザウィン、JRA3勝のエリーフェアリー、JRA3勝のファイブフォースなど、2009年生産から2017年生産まで、デビューした全9世代からJRA勝ち馬を送り出している。

 JRAホームブレッドの繁殖牝馬は、JRA育成馬の中でブリーズアップセールで売却できなかった、競走成績のない未出走馬を供用してきたが、2018年から海外に出向き競走成績のある外国産馬を導入。現在は2018年に導入した2頭と2019年に導入した2頭の合計4頭の輸入繁殖牝馬がいる。

 今年のJRAホームブレッドは9頭の出産を予定。岩本診療防疫係長は「JRAの管理指針に沿って管理し、今後の生産育成等の研究を進めていきたい」と答えた。