馬産地ニュース

新ひだか町で第6回ブリーダーズコース

  • 2019年12月23日
  • 約150人が出席したブリーダーズコース
    約150人が出席したブリーダーズコース
  • 主催者を代表してあいさつするイノウエ・ホース・クリニック井上裕士獣医師
    主催者を代表してあいさつするイノウエ・ホース・クリニック井上裕士獣医師
  • ゲストスピーカーを務めた社台スタリオンステーション登石裕子獣医師
    ゲストスピーカーを務めた社台スタリオンステーション登石裕子獣医師

 12月19日夜、新ひだか町静内目名にあるイノウエ・ホース・クリニックは、新ひだか町静内古川町の新ひだか町公民館2階大集会室において、2019年第6回ブリーダーズコース(講習会)を開催した。

 このブリーダーズコースは繁殖シーズン前のこの時期に、シーズン中に必要となる知識を再認識することを目的とした、主に軽種馬生産者を対象にした講習会。2014年から毎年開催されている。

 第6回を迎えた今年のテーマは「種牡馬産業から生産者への提言」。EBMトレーディングジャパン(株)、(株)ジェイエス、ビルバックジャパン(株)が協賛した。当日は年末も差し迫った寒い中にも関わらず、日高や胆振から軽種馬生産者や種馬場関係者ら約150人が出席した。

 主催者を代表してイノウエ・ホース・クリニック井上裕士獣医師は「馬の生産牧場の方々は繁殖牝馬の専門家ではありますが、種牡馬については血統以外のことは意外と知らないかもしれません。種牡馬に携わっている方は、私たち獣医師も含めて限られています。しかし、馬の繁殖の根幹である種付けには、種馬場の種牡馬と繁殖牝馬共同作業が不可欠となってきます。今回の講習会では種牡馬産業から生産者への提言をテーマにしました。ゲストスピーカーには社台スタリオンステーションの登石裕子先生をお招きしました。種牡馬に携わっている方々から提言をいただくことで、より深く種牡馬業務を理解し、また、より良い関係を構築する機会になればと考えています」と挨拶した。

 ゲストスピーカーを務めた登石獣医師は東京農工大学卒業後に社台コーポレーションの社台スタリオンステーションに入社。社台スタリオンステーションの獣医師として毎年4,000頭以上の種付業務に従事している。2018年には種付業務のなかで研究発表した学位論文により、酪農学園大学で博士号を取得している。

 「種付の現場から」を演題に講演した登石獣医師は、種付けの流れを紹介するなかで、種付所だからこそ学べた知識や経験、繁殖牝馬を連れてくる際の注意点などを説明。最後に「生産者と種付所で繁殖牝馬の状態についての情報交換を密にし、種牡馬も繁殖牝馬も嫌な思いをしない安全な種付けを目指していきたい。来年の繁殖シーズンもよろしくお願いいたします」と結んだ。

 また、井上獣医師は「交配から受精までのメカニズム-種馬の視点から-」を演題に講演。牡馬の生殖器、加齢による精巣の変化、季節による精巣の変化、精液の季節変動とった興味深いデータを解説した。