馬産地ニュース

第3回担い手研修が行われる。

  • 2019年11月18日
  • 約40人が参加した
    約40人が参加した
  • 熱心に聞きいる参加者たち
    熱心に聞きいる参加者たち
  • 講師となった斉藤税理士
    講師となった斉藤税理士
  • 第3回担い手研修が行われた
    第3回担い手研修が行われた

 10月24日夜、日本軽種馬協会は、新ひだか町静内本町にある日高生産連ビル3階会議室において、平成31年度軽種馬経営高度化指導研修事業「軽種馬生産の担い手を対象とした経営支援にかかる研修~担い手研修」の第3回目「持続可能な牧場経営のために」を開催した。

 この研修は軽種馬生産育成牧場の円滑な経営に必要な知識の習得と、参加者間の意見交換にて経営者としての意識を醸成するとともに、地域での支援体制の強化を目指すもの。9月に続き3回目の研修には、胆振や日高から約40人の経営継承者、後継者、自治体、農協の職員が出席した。

 今回のテーマは「軽種馬生産の経営分析~貸借対照表を見てみよう」。講師には、複数の軽種馬生産牧場の決算実績があるという折笠会計事務所の斉藤雪恵税理士。アドバイザーには酪農学園大学農食環境学群・循環農学類の小糸健太郎教授、琉球大学農学部の杉村泰彦准教授、北海道酪農畜産協会経営支援部の原田要主査を招いた。

 斉藤税理士は、軽種馬牧場を「特殊であり、税法に基づく会計基準があいまいなケースが多い」と前置きしたうえで、軽種馬牧場については「初期投下資本が高額」であり「事業に対して高度な技術を要求され」「投下資本の回収に時間を要する」うえに「極端な買い手市場で、受身になる場面が多い」と分析し、安定した経営のためには「未収金・販売代金の早期回収」「無駄な支出額の削除」「運転資金のための借入金枠の確保」が不可欠だと説いた。

 そして事業を安定的に継続させるためには「正確な育成原価に固定費を加えた販売金額の算定が必要で、販売代金の早期回収も大切。さらには短期・中期・長期の事業計画を立てなければならない」と結論づけた。

 そして、決算書例をひきあいにして「売り上げの規模がそのまま黒字額とは限らない。将来に向けた必要な投資が先送りになっていないか」「自己資本比率」「借入金の限度額」の把握も必要だと説明した。

 今後は11月に第4回目が、12月に第5回目の研修も行われる予定で、これら研修を3回以上受講することで、日本軽種馬協会が行う競走馬生産振興事業において実施される「軽種馬生産基盤整備対策事業(担い手機械リース事業含む)」「優良繁殖牝馬導入事業」における担い手特認の対象者となることができる。