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北海道2歳優駿(Jpn3)はキメラヴェリテが勝利

  • 2019年11月05日
  • 最内に進路を取り逃げるキメラヴェリテ
    最内に進路を取り逃げるキメラヴェリテ
  • 後続を振り切り重賞初勝利
    後続を振り切り重賞初勝利
  • キズナ産駒2頭目の重賞勝ち馬となった
    キズナ産駒2頭目の重賞勝ち馬となった
  • 駆けつけた大勢の関係者から祝福を受けた
    駆けつけた大勢の関係者から祝福を受けた
  • 表彰式後の記念撮影
    表彰式後の記念撮影

 ホッカイドウ競馬2歳重賞の最高峰でもある交流重賞、道新スポーツ杯・第46回北海道2歳優駿(Jpn3)が10月31日、門別競馬場ダート1800mで行われた。

 今年のメンバーはJRA所属馬4頭、道営所属馬10頭の14頭。3.8倍の1番人気はホッカイドウ競馬所属のヨハネスボーイ。札幌競馬場で行われたクローバー賞2着、札幌2歳S(G3)5着と、JRA勢相手でも勝負になると人気を集めた。4.6倍の2番人気は、JRA所属のキングカメハメハ産駒、ピオノノ。未勝利を脱出したばかりだが、全兄はレパードS(G3)勝ち馬ハヤヤッコ、近親に関東オークス(Jpn2)を制したユキチャンがいるなど、ダート巧者の一族だけに注目度は高い。3番人気は地元ホッカイドウ競馬のタイセイレジェンド産駒、タイセイサクセサーで5.9倍。初重賞挑戦となったイノセントCは3着、続くウィナーズチャレンジ競走で後続を5馬身放す圧勝劇を演じ、ここへ挑んできた。

 スタンド前からの発走、一団横並びから先手を主張したのはJRA所属のキメラヴェリテ。次いで地元のアベニンドリーム、バックストッパー、マイネルアストリア、アジュバントらが追走。3コーナーを周り直線を向いてもマイペースを貫いたキメラヴェリテの脚は止まらない。食らいついていくアベニンドリーム、ピオノノ、アジュバントも追い込んでくるが、勢いに勝るキメラヴェリテを捕らえることはできず、初重賞勝利のゴールを駆け抜けた。勝ち時計は1:56.2(晴・良)1馬身1/2差の2着に8番人気のアベニンドリーム、ハナ差3着はピオノノ。人気のヨハネスボーイは8着という結果だった。

 鞍上の福永祐一騎手は同レース初勝利。「自分のかたちで競馬ができたらチャンスはあるなと思い、最初から逃げるつもりでスタートだけ気をつけていました。競りかけてくる馬もいませんでしたし、楽なペースで道中進め、初めてのナイター照明に物見することもありましたが、それが逆にムキにならずに走れた要因でしたね。期待通りのレースをしてくれました」と振り返った。

 管理する中竹和也調教師は「狙い通りの結果を出せてまずはホッとしています。前走阪神の1400m戦(3着)で、この馬には少し忙しいかなと感じ、門別競馬場の広いコース、距離は向いていると思い登録しました。長距離輸送になりますし、1日早めに到着、飼い食いが落ちることもなく、乗り込みも十分にできたことも勝因のひとつ。今後は暮れの川崎で行われる全日本2歳優駿(Jpn1)に向けて体制を整えたいですね」と安堵の表情を見せた。

 キメラヴェリテは父キズナ、母ルミエールヴェリテ、母の父Cozzeneという血統の2歳牡馬。父と同じ新冠町・(株)ノースヒルズの生産馬で、半兄リアンヴェリテ(牡5、父ゴールドアリュール)はダート戦7勝のオープン馬。

 今年の2歳が初年度産駒となる父キズナ。早くも2頭の重賞ウイナーを輩出し、現在ファーストシーズンサイアーのリーディングを突き進んでいる。重賞ウイナーとなった2頭とも父の故郷(株)ノースヒルズの生産馬であり、ダート界に新風を送り込むであろうキメラヴェリテの今後の活躍が期待される。