馬産地ニュース

千歳市で胆振地区生産育成技術講座2019

  • 2019年10月25日
  • 千歳市で行われた胆振地区生産育成技術講座2019
    千歳市で行われた胆振地区生産育成技術講座2019
  • 講師を務めたJRA競走馬総合研究所臨床医学研究室高橋敏之室長
    講師を務めたJRA競走馬総合研究所臨床医学研究室高橋敏之室長
  • 胆振の牧場関係者を中心に約180人が集まった
    胆振の牧場関係者を中心に約180人が集まった

 10月24日夜、胆振軽種馬農業協同組合(田中芳郎代表理事組合長)と胆振軽種馬農業協同組合青年部(吉田正志部長)は、千歳市北栄にあるANAクラウンプラザホテル千歳2F千歳の間において、胆振地区生産育成技術講座2019を共催で行った。

 この講習会は2010年から毎年秋に実施。今年はJRA日本中央競馬会の競走馬総合研究所臨床医学研究室高橋敏之室長を講師に招へいした。組合員や青年部員のほか胆振や日高の牧場関係者約180人が集まった。

 主催者を代表して吉田部長は「講師を務めていただきます高橋様におかれましては、何かとご多用のなか、栃木県よりお越しくださりまして大変ありがとうございます。高橋様はディープインパクトの走り方を研究されたことでも有名です。本日も大変興味深いテーマですので、どのように気を遣って競走馬を走らせるべきか、また、安全で効果的な調教成果を得るために何が必要か、そういったことをしっかりと学んで帰りたいと考えております。受付名簿を見ますと、今日は調教に携わる方が多いと感じられます。皆様からは普段の仕事のなかで感じている疑問や悩みを、後半の質疑応答で積極的に質問していただき、この会をさらに充実したものにしたいです」とあいさつした。

 講師の高橋氏は昭和43年生まれの群馬県出身。平成4年に北海道大学を卒業後、JRAに入会。美浦・栗東トレーニングセンターで競走馬の診療に従事した後、競走馬総合研究所にてバイオメカニクス(生体工学)を担当。走行中にかかる力と馬場、走行速度の関係、浅指屈腱にかかる力、競走馬の走行フォーム、競走中の損傷に関連する危険因子について研究し、三冠馬ディープインパクト、オルフェーヴルの走り方についての研究発表を代表に、これまで多くの講演会に招かれるほか専門誌への寄稿をしている。現在はJRA競走馬総合研究所臨床医学研究室室長として活躍。損傷や疾病に関連する要因などについて研究している。

 「競走馬の走行フォームとバイオメカニクス」をテーマに講演した高橋氏は、ディープインパクトとオルフェーヴルの走り方の特徴やサラブレッドの肢にかかる力、サラブレッドの浅指屈腱、深指屈腱、繋靱帯にかかる力、サラブレッドの体重に関係する話などについてレクチャー。フロアーからの「騎手による走行フォームの違いはありますか?」、「ピッチ走法とストライド走法で前肢と後肢の力の加わり方や腱や靱帯への負荷のかかり方は違うのですか?」、「脚もとに問題がある馬をダートで使ってから芝で使うことがあるのですが、競走を使う前に脚もとの状態を見ることはあるのでしょうか?」といった質問にも丁寧に応答した。