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北海道スプリントカップ(Jpn3)はヤマニンアンプリメが人気に応える

  • 2019年06月11日
  • 直線抜け出したヤマニンアンプリメ
    直線抜け出したヤマニンアンプリメ
  • 後続を振り切り重賞初勝利
    後続を振り切り重賞初勝利
  • 紅一点、人気に応えた
    紅一点、人気に応えた
  • 新規開業厩舎にとっても重賞初勝利となった
    新規開業厩舎にとっても重賞初勝利となった
  • 表彰式での関係者のみなさん
    表彰式での関係者のみなさん

 6月6日、門別競馬場では今年最初の中央競馬交流重賞となる。日刊スポーツ賞・第23回北海道スプリントカップ(Jpn3)がダ1200mで行われた。

 JRA所属馬4頭、他地区大井からショコラブランが参戦し、16頭で争われた。

 人気はやはりJRA所属馬に集中。2.2倍の1番人気は紅一点、5歳牝馬のヤマニンアンプリメ。名古屋のかきつばた記念(Jpn3)、高知の黒船賞(Jpn3)ともに2着と、交流重賞での実績を買われ人気を集めた。2.6倍の2番人気はJRA芝短距離重賞2勝馬のシュウジ。ダート転向初戦のリステッド競走を快勝し、力の差を見せつけたシュウジにとって、これが初めてのダート重賞挑戦となる。6.0倍の3番人気もやはりJRA所属馬のタテヤマ。デビュー戦からダートの短距離路線を駆け抜け23戦6勝。得意の舞台で初重賞勝利を目指す。

 レースは、2コーナーポケット地点からのスタート。揃った飛び出しからまず抜け出したのはシュウジ。次いで大井のショコラブラン、外は人気のヤマニンアンプリメ、ラチ沿いを進むノボバカラ、地元フジノパンサー、メイショウアイアンらも食らいついていく。直線に入ると、一旦先頭に出たショコラブランをヤマニンアンプリメが交わし、後続を突き放す。最内で機を窺っていたノボバカラが2着を死守するかと思われた瞬間、外から脚を伸ばしてきたのはホッカイドウ競馬所属の9歳馬、メイショウアイアンだった。ヤマニンアンプリメは悲願の重賞初勝利。勝ち時計は1分11秒5(曇・稍重)3馬身差の2着に8番人気のメイショウアイアン、クビ差3着はノボバカラという波乱の結果となった。

ヤマニンアンプリメとのコンビで3戦2勝、2着1回という相性の良さで重賞勝利まで導いた岩田康誠騎手は「前回乗せてもらった時(1月5日門松S・1着)より馬が一回り大きくなり、状態がすごく良かった。ゲートもポンと出て、直線もまた伸びてくれましたし、厩舎が頑張っている成果ですね。(新規開業の長谷川調教師に)初重賞勝利をプレゼントできて良かったです」と話した。

 前出の通り今年3月から開業した長谷川浩大調教師にとって、記念すべき重賞初勝利。「ここ2戦惜敗続きだったので、力を出し切ってくれてまずはホッとしています」と胸を撫で下ろした。早めに函館競馬場へ入厩し、順調に調整が進められたことも決め手になったのかも知れない。「1400mをずっと使ってきて、久々の1200m戦だったので、ゲートを出てあの位置取り(3番手)は想定外でちょっと心配しました。自分の中では、もう少し後ろで競馬すると思っていたので。結果的に斤量差もありますが、想像以上に素晴らしいパフォーマンスをしてくれました。今年の大きな目標は浦和競馬場で開催されるJBCなので、今後もいい競馬ができるように調整していきたいです」と笑顔を見せた。

ヤマニンアンプリメは、父シニスターミニスター、母ヤマニンエリプス、母の父サンデーサイレンスという血統の5歳牝馬。近親に目黒記念(G2)など重賞3勝のヤマニングローバルがいる。生産は浦河町の廣田伉助さん。2歳10月、阪神ダ1800mでデビューするも競走中止。5戦目の未勝利戦(京都ダ1400m)で勝ち上がると、マイペースで段階を踏み、昨年1月の山科Sを勝利してオープン入り。今年2月、中村均調教師の勇退に伴い、厩舎を引き継いだ長谷川浩大調教師の元へ移動し、転厩後3戦目で新規開業厩舎に初重賞勝利をもたらした。

 通算成績は26戦7勝。